高校生4人に1人が『闇バイト』広告を経験│産官学民が主導する防止プロジェクトが始動

ネット・SNSで人員を募り、犯罪行為に加担させる『闇バイト』。言葉の認知は進んでいるものの、勧誘手口は巧妙化しており実態を見破ることが難しく、実行役として犯罪の一端を担ってしまう若者が増えているのが現状だ。そうした実態の対策・防止として立ち上がったのが「渋谷闇バイトゼロプロジェクト」である。
バイト求人情報サイト・バイトルを運営する「ディップ(dip)株式会社」と、一般社団法人渋谷未来デザインが共催し、渋谷区が後援、警視庁 匿名・流動型犯罪グループ対策本部の協力のもと、若者の闇バイトへの関与防止を目指す取り組みだ。始動日となった2026年4月2日(木)には、報道向けに本プロジェクトの発表会が実施された。
約7割が見抜けない『闇バイト』広告

2026年1月、ディップ株式会社が高校生を対象に実施した「闇バイト判別調査」では、9割の高校生が闇バイトという言葉を認知しているという結果が出た。一方で、約7割が求人情報を見て闇バイトかどうかを判別できなかったと回答し、依然として双方の数値に乖離が見られたという。
調査のなかでも特筆すべきは地域別での広告の接触率だ。都内の高校生は、約4人に1人(25.0%)が闇バイトと思われる怪しい求人に触れた経験があると回答。愛知の1.9倍、大阪の1.6倍にあたり、全国でも突出している数値であり、最もリスクにさらされている地域といえる。渋谷を拠点とする本プロジェクトが東京の若者を最優先のターゲットに据えるのも、こうしたデータが背景にある。
産官学民が一体となって挑む
本プロジェクトの特徴は、企業・行政・学術・市民が垣根を越えて連携する点だ。発表会のパネルディスカッションでは、ディップ株式会社の冨田社長、渋谷区の長谷部区長、警視庁や渋谷未来デザインの関係者らが登壇。「社会課題の解決には産官学民の連携が不可欠」との認識を共有し、それぞれの強みを活かした取り組みを推進していく方針が示された。
クイズで「知識」を根付かせる啓発動画を制作

プロジェクトの具体的な取り組みとして、ディップ株式会社はプロジェクトのスペシャルパートナーを担う「QuizKnock」と共同で若年層向けの啓発動画を制作した。
動画に制作・出演し、会場で登壇したQuizKnockの伊沢拓司さんは「心が弱っていたり、お金に困っていたり、普通の判断ができない状況に立たされた時に、甘い誘惑に乗ってしまうケースが多い。そういった時に自分を守ってくれるのが正しい知識」と、闇バイトに巻き込まれる背景などを話した。
なお、動画はディップ公式YouTubeチャンネル「仕事リアル」にて公開されている。
ディップ公式YouTubeチャンネル「仕事リアル」:https://www.youtube.com/@shigoto_real
渋谷から全国へ

プロジェクトを推進する、ディップ株式会社社長 冨田英揮さんは発表会にて次のように話す。
「若者が安心・安全に仕事を選べる環境を整え、注意喚起と正しい情報を発信し続ける社会責任があると考えています。産官学民が共同で行うことでより深く、広く啓蒙していくことができると思っています。これから先は、中学生、小学生といったより若い世代へのアプローチして、早い段階から正しい知識を根付かせていければ」
「渋谷闇バイトゼロプロジェクト」は、渋谷を起点としながらも、その波及効果を全国へと広げることを見据えている。闇バイトという深刻な社会課題に対し、本格的な取り組みが始まった。
文:土田洋祐
写真:土田洋祐、渋谷闇バイトゼロプロジェクトPR事務局