スクリーニングとは?検査・株式・電話での意味と使い方【いまさら聞けないビジネス用語】
ビジネスシーンにおいて、適切な言葉遣いは重要なスキルのひとつ。基本的なビジネス用語を理解していることは、コミュニケーションの円滑化に直結します。本記事では、いまさら人に聞けないけれど、知っておきたいビジネス用語をわかりやすく解説。それぞれの用語が持つ背景や使用されるシチュエーションを押さえておくことで、職場での会話やメールに自信を持てるようになります。今回は「スクリーニング」について、使用する場面や似ている言葉との違いも含めて解説します。
「スクリーニング」とは特定の基準などに基づき対象を選別すること
スクリーニング(screening)は、特定の基準に基づいて情報や対象を選別し、ふるいにかけるプロセスのことを指します。この概念は多岐にわたる分野で使用され、その意味や目的は分野ごとに異なります。分野ごとのスクリーニングについて詳しく見ていきましょう。
医療分野
医療分野では「スクリーニング検査」が挙げられます。スクリーニング検査とは症状のない人々を対象にして、特定の病気や疾患を早期に発見するために実施される検査を指します。この検査は、症状がまだ現れていない段階で疾患の有無を確認し、早期治療や予防につなげることを目的としています。
たとえば健康診断や人間ドックなどがスクリーニング検査に分類されます。スクリーニング検査を行うことで病気の早期発見に加え、予兆がある場合には生活習慣の改善を促すことも可能です。
株式投資
株式投資におけるスクリーニングとは、特定の条件や基準を設定して、多数の株式の中から投資候補となる銘柄を絞り込む作業を指します。スクリーニングを実施することで、投資家は膨大な株式市場の中から自分の投資戦略に合った銘柄を効率的に選び出すことができるのです。
株式投資のスクリーニングには、さまざまなスクリーニングツールが開発されており、証券会社や投資情報サイトなどでツールを利用できます。感情に流されず基準に従った分析ができるなどのメリットがありますが、データだけに依存してしまうと失敗につながる可能性もあるので注意が必要です。
電話対応
カスタマーサポートなどの現場で使用されているのが、電話スクリーニングです。受信した電話や発信先の通話内容を選別し、対応の優先順位を決めたり、特定の基準に合致した通話だけを取り次いだりすることができるようになります。
また、セールスの電話やスパムなどを除外し、対応者の負担を減らすことも可能です。ちなみに受付や秘書などが行う電話取次ぎも、スクリーニングの一種といえるでしょう。
そして昨今では個人のスマートフォンに対し、通話スクリーニング機能が搭載されるケースも増えています。こちらは迷惑電話などを自動的に判断して着信音を鳴らさず、留守番電話に転送したり自動メッセージで対応したりできる機能です。
採用活動
企業の採用活動においても、スクリーニングという言葉が使われることがあります。これは、面接や入社試験を実施する前の段階で、企業の採用基準を満たしていない応募者がいるかどうかを確認するプロセスのことを指します。
スクリーニングと似ている言葉との違い
ビジネスで活用する言葉の中には、スクリーニングと似ている意味を持つ言葉も複数存在しています。ここでは、その中から混同しやすい言葉をいくつか紹介します。
フィルタリング
フィルタリングとは、不必要な情報や要素を除外し、必要なものだけを取り出すことを指す言葉です。情報技術やデータ処理において使われることが多く、スクリーニングよりも技術的な意味合いが強い場合があります。
スキャン
スキャンはデータや情報を詳細に調べたり、読み取ったりすることを指す言葉です。おもに対象を調査・記録する行為で、スクリーニングはその情報を選別する行為を含みます。
モニタリング
状態や動向を継続的に観察・監視することをモニタリングといいます。モニタリングは観察を続ける行為に重点が置かれますが、スクリーニングは特定の基準に基づいて瞬時に判断することに重点が置かれるのが大きな違いです。
使用する分野によって意味合いが異なる「スクリーニング」を上手に使いこなそう
スクリーニングは、特定の基準に基づいて選別すること、ふるいにかけることなどの意味を持つ言葉ですが、使用する分野によって微妙に意味合いが異なることがあります。そのため、使用するシーンに合わせて適切に使用できるよう、細かな意味を把握しておきましょう。