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「気がおかしくなりそう…」 離婚問題に苦しむ女性に立ちはだかる“お金のリアル”

学び

「もう、こんな男とは生活はできない」。こう思いながらも、小さい子どものことを考えると離婚ができない。こういう苦しみを持つ女性は少なくない。

離婚届

※画像はイメージです(以下同じ)

 今回は実際に起きた事例をもとに、離婚について考えたい。本記事の前半で具体的な事例を、後半で女性専門のファイナンシャルプランナーの解決策を掲載する。事例は筆者が取材し、特定できないように加工したものであることをあらかじめ断っておきたい。

事例「私、気がおかしくなりそう……」

 中堅のメーカー(社員1200人)に就職した中島玲子(仮名・27歳)は、結婚4年目。2年前から離婚を考えているが、3歳の子どもがいるためにためらっている。名古屋の実家の母親には離婚するか否かを頻繁に電話で相談をしている。

 大手アミューズメント会社に勤務する夫は同じ大学の1学年上で、テニスサークルの“先輩”。当時は理想の男性に近かったが、結婚1年目から喧嘩は絶えなかった。夫はほぼ毎日、中島の家事に1つずつ、細かい指示をする。反論をすると、それを説き伏せるかのような説教が始まる。1時間を超える場合があり、必ず、自分に従わせようとする。

 中島の職場での仕事や人間関係にも説教が及び。中島が不服そうな表情を見せると、怒り始める。「お前のことを思って、言っているんだ!」と大声を出す。夫はあらゆることを聞き出し、その隅々にまで説教をしてけなし、否定する。時に小ばかにした表情でののしり、罵倒する。絶対に中島を認めることをしない。中島は、1日に数回は母親に電話をして嘆く。「私、気がおかしくなりそう……」

1. 生活費、養育費などの記録を残す

離婚

 社会保険労務士・ファイナンシャルプランナーで、離婚の経験がある久保田あきみさんに取材を試みた。

 久保田さんのところへ離婚の相談に来る人の中には、夫に機会あるごとに批判や否定をされ、時には厳しく説教をされて、精神的に滅入っている女性も多いようだ。いわゆる、モラハラと呼ばれるものだという。離婚を決断した女性には、離婚をする際に夫と話し合うべきお金(生活費、養育費など)に関する書類などを撮影やコピーをして記録に残すことをアドバイスしている。主に以下のものだ。

【記録に残すべきお金に関する書類】
・預金通帳(銀行・支店名がわかる表紙も含め、可能ならば直近1~2年分)
・夫が会社で契約し、給与から積み立てる財形貯蓄
・保険証券(学資、終身、年金、養老保険など貯蓄系の保険)
・持ち家の場合は、登記簿謄本とローンの内容がわかる書類
・源泉徴収票や確定申告書、給与明細(養育費や婚姻費用を決める場合に必要)
・年金手帳や年金定期便(サラリーマン・公務員の妻の場合、年金分割をするうえで必要)

「今回の事例の女性が仮に離婚に踏みきる場合、まず、これらの記録を残すことをお勧めします。通常、妻が家計を管理している場合には比較的スムーズにできるのではないか、と思います。同居している間に、コピーを取ったりスマホで撮影しておいたりするとよいでしょう。『この人とはもう生活できない』と思い始めた頃から、記録することをお勧めします。別居した後では難しくなるからです」

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