過疎化の町で移動販売に挑む27歳女子、過酷な現実にネットで共感の嵐
三重県の南部に位置する紀北町は、人口1万6000人ほどの町です。
過疎化や、住民の高齢化が進む同地では、買い物にすら困っている一人暮らしのお年寄りも少なくありません。
そのようなお年寄りにお惣菜や果物などを届ける「移動販売」の仕事をしている東真央(ひがしまお)さんの活躍が、8月14日放送の「セブンルール」(関西テレビ系)で紹介されました。
移動販売の経営のきっかけは祖母の送り迎え
東さんは、1990年、三重県紀北町出身の27歳。就職活動をしている大学3年生のときに、日用品の買い物に不自由している「買い物弱者」向けの移動販売事業のニュースを目にしたことがきっかけで移動販売に興味を持ったそうです。
彼女が生まれ育った紀北町でも過疎化が進んでおり、地元の広報誌のインタビューでは自身も普段から祖父母の買い物や病院への送り迎えをしていたことから、「この町で移動販売を始めたらビジネスチャンスになると閃いた」と語っています。
現在では、移動販売のほかにもスーパーも経営しています。その他にも週末は、家族で経営している居酒屋も手伝っており、彼女の休日は日曜日の朝から夕方のみという多忙な生活を送っています。
売り上げはわずか月10万円。でも……
〈#移動販売員 #東真央 の #セブンルール〉
1.呼び込み音は「ルージュの伝言」
2.お客さんに携帯番号を教える
3.暇な時間を作らない
4.お客さんは下の名前で呼ぶ
5.カラオケの選曲は昭和の曲
6.亡き祖父母の家に住む
7.別れの際は「行ってきます」と言う#7RULES pic.twitter.com/aCh0mS8AQg— 7RULES (セブンルール) (@7rules_ktv) 2018年8月14日
毎朝6時に町内の卸売業者を回り、食料を仕入れることから1日が始まります。
8時には商品を積み込んだ軽トラックを走らせ、1日で約20か所を回り、走行距離は100kmを超えることも日常茶飯事です。
それだけ頑張っても、移動販売での利益は月10万円ほどで、スーパーの経営も赤字が続いており、ビジネスとしては厳しい状況にあるそうです。
それでも、彼女が移動販売をやめないのは、利用者の存在があるからです。
番組のインタビューに答えた脚が不自由な利用者は「あの人を頼らないとやっていけない」と語り、利用者の大事なライフラインになっていることが窺えます。
それ以上に、一人暮らしをしているお年寄りにとっては貴重な話し相手でもあり、紀北町になくてはならない存在になっています。