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声優・畠中祐「コンプレックスだった」自分の声。一生かなわないと思った“大ベテラン声優”

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 声優、俳優として活躍し、2017年には歌手としてもソロデビューと、活動の場を広げている畠中祐さん(27)。現在放送中のトークバラエティ番組「声優と夜あそび」(AbemaTV)も人気を博しています。

畠中祐

畠中祐さん

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 そんな畠中さんが、『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの最新作となる『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章 -TAKE OFF-』に参戦。ある思いを胸に、古代進(小野大輔)が新艦長を務めるヤマトの、新クルーとなった土門竜介のボイスキャストを務めています。

 正直、『宇宙戦艦ヤマト』ってどんな物語? と思ってしまう同世代の20代へ向けて、本シリーズへの魅力を教えてもらうとともに、小学生5年生で『ナルニア国物語』のエドマンド・ペベンシー役の吹き替えでデビューした畠中さんに、実は「自分の声がコンプレックスだった」ことや、オーディションで心がけていることなどを聞きました。

描こうとしているものはすごくシンプル

ヤマト

『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章 -TAKE OFF-』(C) 西崎義展/宇宙戦艦ヤマト2205製作委員会

――『宇宙戦艦ヤマト』は、見たことありました?

畠中祐(以下、畠中):世代ではないので、正直、あまり知りませんでした。でもなぜか、小さなころからあの主題歌は知ってましたね。それに僕が10代のときにお世話になっていた音響監督さんが「俺は昔、『宇宙戦艦ヤマト』のスタッフをやってたんだ」と話してくださったり、日本のアニメに与えてきた影響がすごいとは感じていました。それでもやっぱり、昔のアニメという印象はありました。

――そうですよね。おそらく20代以下は多くがそうだと思います。

畠中:これまであまり知る機会もありませんでしたし、どちらかというと硬いイメージというか、初心者がなかなか入っていけない世界なんじゃないかと勝手に思っていました。もちろん歴史があるので、ストーリーの複雑さはあるといえばあるけれど、でもこの作品に関わってみて、描こうとしているものはすごくシンプルだと感じました。

「このとき君ならどう思う? 正しい選択って何?」と。いつの時代にも通じる普遍的な問題について、銃口を突き付けられたようでした。深い人間ドラマのある、熱い物語だと思います。僕は好きです。

先輩と飲みに行くつもりで

ヤマト

畠中さんが演じた土門竜介

――「銃口を突き付けられたようだった」と。

畠中:この作品は、今風にアレンジされていて、スタイリッシュになっている部分ももちろんあるけれど、「生と死の選択」といった部分は、どんなに現代風にアレンジしていても、描かなきゃいけないところです。でも僕らって、戦争も遠い存在だし、そうしたことを考える機会ってほとんどない。こうした映画を観たりすることが、想像を巡らせるきっかけになると思うんです。

――畠中さんは、実際にヤマトの世界に飛び込んでみていかがでしたか?

畠中:すごく背筋が伸びました。僕が演じた土門竜介も、初めてヤマトに乗り込む新人なので、土門が悩むところで、「僕だったらどうするだろう」と僕も悩むんです。それに対して古代が背中で示してくれるシーンがあって、涙が止まらなくなりました。

 普段の生活で考えるなら、今のご時世だと、それも難しいんですが、たとえば先輩から「飲みに行こうよ」と誘われて、面倒くさくなる瞬間ってありますよね。長くなりそうだなとか、叱られるのかなとか。でも行ったら行ったでやっぱり面白い。先輩たちの話には、今を強く生きるためのヒントが隠されてたりするし。帰りが遅くなったとしても、飲みに行ってよかったなと思うんじゃないかと。

 そんな感じで、この作品のことも、何も分からなくても「まあ観に行ってみなよ」と、飛び込んでみた僕は伝えたいです。

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