電通が社員230人を個人事業主化。”独立“する危険とメリット
2020年11月に電通が新しい働きかたを発表しました。40歳以上で希望した社員に一旦退職してもらい、「個人事業主」として業務委託契約で仕事を続けてもらうという制度です。通常は禁止している副業も可能になると話題になりました。この制度に応募した約230人が、2021年1月から個人事業主になったと報じられています。
ネット上でよく見かける「リストラではないのか?」という意見ですが、電通はこれを否定しています。実は電通よりも前に個人事業主化の話が大きく話題になったのがタニタです。どちらにしても「正社員」という立場から退職して「個人事業主」になるという点では同じです。
個人事業主になって変わる点は
では「個人事業主になると何がどう変わるのか?」を今回は考えてみます。
簡単に説明すると「労働者ではなくなる」ことが1番のポイントだと思います。日本では、労働者は労働基準法によって守られているのですが、これが一切関係なくなるのです。
最低賃金・時間外割増・有給休暇・労働時間制限・不当解雇からの保護など。他にもたくさんありますが、分かりやすい例ではこんなところです。要するに、国が労働者を保護する機能が全部キャンセルされてしまう個人事業主は、ある意味で“超危険な働き方”なのです。ネット上で騒動となっているのはこのためでしょう。
安易な気持ちで決断できる内容とは到底思いません。が、筆者はこの取り組みには賛成です。もちろん企業側ではなく、労働者側の立場としての意見です。