イオン、コロナでも増収増益を実現した底力。社員とバイトの声は
都道府県境をまたいだ移動の自粛が解禁されましたが、そんななか「イオンスタイル有明ガーデン」が新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で当初の予定から約2か月遅れの6月17日にグランドオープンしました。
この店舗は複合商業施設「有明ガーデン」内に入っており、新型コロナの影響で地元住民向けに先行オープン(5月15日から)という形をとって営業をしていました。
大型商業施設は外出自粛要請下では営業が難しいタイプの施設であるため、大型店舗のグランドオープンのニュースが出てくるようになったことは、コロナ自粛の区切りのひとつであり、日常を取り戻しつつある象徴的なニュースと言えるでしょう。
イオンスタイル有明ガーデン店では、レジに並ばない新会計システム「レジゴー」も都内で初導入され、日々の買い物がより便利になると予想されます。
本連載ではTwitterアカウント「アラートさん」(@blackc_alert)が、身近な企業を題材にして、企業の状況の調べ方・見極め方を解説しています。
今回は、そんなイオンの底力について、公開情報から読み解いてみました。
イオンへのコロナによる影響は?
まず、イオングループの「コロナウイルスの影響」について振り返りをしていきましょう。小売・飲食の場合は「月次報告」というような月ごとの概況を伝える数値資料が公開されるので、このデータを使います。
イオンの月次報告は店舗の種類が多いため、後述するセグメントごとのグループに分け、各数値を色分けしました。好調なものは緑色、不調なものは赤色になるようにグラデーションで塗り分けています。
その結果、下記のように業態によってくっきり明暗が分かれた形になりました。
■ GMS(総合スーパー):80%~90%で推移。なんとか食い止めた
■ SM(スーパーマーケット)/ヘルス・ウエルネス:100%越え連発で好調
■ 専門店:70%以下となり、大ダメージ
これは決算資料の「新型コロナウイルスの影響」において、イオンモール・イオンファンタジー(ショッピングモール内の子供向け遊戯施設)を営業停止した旨の記載とも合致する結果です。
まとめると、ショッピングモール内の各テナント・付随施設は大きくダメージを受けたものの、主力の総合スーパーは大きく落ち込むこともなく、スーパーマーケット・ヘルス&ウエルネス事業はむしろ好調だったため、グループの多角化戦略が効果的に働き、新型コロナウイルスによる悪影響を上手に抑え込めたと言えるでしょう。