bizSPA!

プレゼンで人を動かす条件。“熱意”よりも具体的に語るべき内容は…

学び

 誰でも、仕事はうまくこなしたい、評価されたいという気持ちは同じです。

プレゼン

※画像はイメージです(以下、同じ)

 ただ、企業側には手厚い社員教育体制を調える余裕がなかなかなく、「見て覚えろ」「自分で学べ」という環境の中で萎縮してしまい、成果も出せず、うまくいかない……という負のスパイラルに陥ってしまう人が多いのではないでしょうか?

 そこで今回は、新刊『仕事の不安・悩みがなくなるロジカルシンキング』(あさ出版)著者である苅野進氏に、「合意を生むプレゼン」について解説してもらいます(以下、苅野氏の寄稿)。

「ネガティブな情報は必要ない」に潜む落とし穴

「プレゼンにはネガティブな情報は不吉なだけだ。不確定なことに触れるよりも、可能性を感じてもらうような熱意が大事だ」と考えている人は少なくありません。

 しかし、この記事を読まれるような若い方には、そこには大きな落とし穴があるとお伝えしたいのです。

 プレゼンで人を動かしたいと考えるとき、目の前の人にのみ集中してしまいがちです。しかし、ほとんどの場合、目の前の人は「決断」と「決断後の責任」を1人で背負ってはいません。

 あなたのプレゼンを持ち帰り、上司や家族に相談して決断することになります。そういう状況では、あなたがプレゼンに込めた「熱意」は、上司や家族にまでは伝わらないものなのです。

プレゼンの「熱」は人をまたぐと伝わらない

情熱

「とてもよい人柄で熱意もあって信用できると思う!」

 という気持ちをプレゼンの場面で作ることに成功したとしても、上司や家族は「事実」のみで判断することになるのです。又聞きによって「それは信用できる人柄だ!」という気持ちが作られることは、ほとんどありません。

 また、プレゼンの相手が決裁権のある立場だったとしても同じように注意しましょう。相手の社長に気に入られて契約に持ち込んだとします。しかし、社長もまた、その案を現場の部下に説明して実際に取り組んでもらう必要があるのです。

 そこで社長が「なんだかとても可能性を感じた案だから採用した」と言っても現場は「本当か?」という姿勢なので、納得感なく取り組むことになるのです。

 人をまたいでも説明しやすい事実・ロジックをしっかり用意してあげることが大事です。その上に初めて熱意がのるのです。

おすすめ記事