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岡本玲、27歳の決心「自分自身をもっと壊していきたい」

暮らし

何かが起きたら相手に絶対に会いに行く

クジラ

岡本:祖母も観てくれてよかったと言っていましたし、周りのおじさんやおばさんも観に行ってよかったと言ってくれているそうです。地元の人にもそう思ってもらえるものに仕上がったというのは嬉しいです。

――観客の方にメッセージをお願いします。

岡本:まずはクジラのピュアな部分や偉大さ、自然の大きさを感じていただきたいです。

 それから、人にはそれぞれの幸せがあって、選択があって、そこに人からの評価というのは関係ないというのを、この作品を通して私自身が改めて知りました。

 この作品って、全然インターネットとかSNSとかいったものが出てこないんです。何かが起きたら相手に絶対に会いに行く。たとえ会えなかったとしても、顔を見に行こうとする。そこがすごくステキ。そうしたところも、少しでも感じていただけたらいいなと思います。

仕事をしながら日芸映画学科を卒業

クジラ

――本作の主人公たちは夢に向かってもがいていますが、岡本さんはすでに女優として活動されていたなかで、大学に進みました。周囲からは行かなくてもと言われたのでは?

岡本:そうですね。大学進学についてはとても悩みました。行かないという選択肢も確かにありました。当時からお芝居を一番にやりたいと思っていましたが、求められるほどのところには行っていなくて、自分って何なんだろうと思ったときに、大学に進めば何か得られるかもしれないと思ったんです。そのときの私なりに。

 小学校6年生のときから仕事をやっていて、東京に出てきてからも芸能のコースのある高校に進みましたが、自分自身は空っぽな気がしていて。お芝居を続けるなら、受験に悩んだり、挫折したり、友達と普通に過ごしたりする、大学の4年間の経験というのが、絶対に後に役立つと思いました。

 もちろん、進学せずにお芝居1本で自分を追い詰めるという手段もありましたが、私は一般受験で大学を受けることを選びました。

――日大芸術学部の映画学科の卒業ですね。明確にここに入りたい!っという意思を持った人が多いところかと。

岡本:はい、行ってよかったと思っています。本当に映画が好きで、映画を撮るためにアルバイトをしている同級生がたくさんいました。私には経験があったので、できて当たり前と見られることもありましたし、私自身にも変なプライドがあった時期もありました。でもそんなことをどんどん崩してくる友達、輝いている友達がいっぱいいたんです。

 そこで過ごすなかで、もっと映画に愛されたいなら、もっともっと自分も映画を愛さなきゃという考えが芽生えた。大学で触れたことは大きかったです。

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