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売上ゼロで上場!? 会計士が見た“ヤバいベンチャー社長”列伝<異色対談>

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社長の指が3本! 伝説のベンチャー風雲録

ボヴ:僕は逆の見方もあると思ってて、厳しい面もあるんじゃないかと。なぜかというと、昔と比べてIPOの審査が厳しくなっているから。

 昔ならインチキ・ごまかしで上場できたような会社も、今の審査基準なら確実に弾かれる。IPOを出口に見据えると大変な面はあります。

――今と昔ではIPOの難易度がだいぶ違うのですね。

ボヴ:今の20代は知らないと思いますけど、マザーズ上場第1号の「リキッド・オーディオ・ジャパン」という伝説の会社がありました。売上ゼロの赤字企業にも関わらず堂々と上場して、しかも社長の指が何本かないという(笑)。

たにやん:懐かしいですね(笑)。

ボヴ:その社長も翌年には監禁事件を起こして逮捕されてます。そんなクソ株だったんですけど、音楽配信という期待感だけで上場できた時代があった。

どんな若者が起業に向いている?

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――今の20代には想像もできないようなワンアイデアで突破できた時代があったのですね。

ボヴ:今は上場基準もコンプラも厳しくなりました。IPOが難しいなら、M&Aによるバイアウトという出口もあるけど、正直そこまで市場が広がってないし、双方の希望価格が釣り合わないケースも多いです。

――今は、どんな若者が起業に向いていると思います?

ボヴ:一昔前、僕らの世代だったら「電通か博報堂しか行かへん」「三井物産か三菱商事にしか行かへん」とか言ってたような、いうたら体育会で主将やってたようなタイプもいるんじゃないですかね。

 こういうイキるタイプの人材が今だと、ベンチャーや起業にも興味関心を持つようになったのはいい流れだと思ってます。正直、イキる奴とか僕は好きじゃないんですけど(笑)。

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