自動運転バスはいつ乗れる?中国・深圳で予約してみたら……

前回の記事では、中国・広東省深圳の自動運転タクシーに乗車した様子をお伝えしました。深圳ではタクシーだけでなく、バスも自動運転で運行されている地域があります。現在は試行運転中で、中国人なら実際に乗車できるようです。この記事では、深圳の自動運転バスの概要をお伝えします。
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運転手が乗車するも4路線が自動運転中
自動運転バスが走る前海エリアは、道路や歩道が広く交通量はそれほど多くはありません。周辺にはいくつもの新しい高層ビルと建築中のビルが林立しており、深圳が成長を続けている街であることを実感できます。

深圳では、深圳巴士集团が2024年7月から自動運転バスの運行を開始しています。バスが運行しているエリアの地下鉄9号線・梦海駅周辺に向かいました。筆者が訪れた2025年1月時点では、4路線が運行していました。

運行エリアでは、地下鉄駅の1〜2区間ほどの距離を約30分かけて巡回するようなルートで運行しています。バス停はどの路線も10箇所以下。バス停に人がいなくても一度停止し、乗車ドアが開きます。

車両はマイクロバスで、最大乗客は9人。中国のAI開発企業・センスタイム(商湯科技)の自動運転システム「絶影」で制御され、車体には、カメラおよびミリ波レーダー、ライダー(LiDAR)が搭載されています。
さらに、道路側からも情報を取得することで車載装置の死角を補い、より安全で信頼のできる自動運転システムを構築しているとのこと。
自動運転タクシーの中には完全無人運転の車両も走っていますが、自動運転バスはまだドライバーが乗車するのがスタンダードのようです。

外国人が乗車できるのはもう少し先か
料金は1元(約20円)ですが、試行期間中ということもあり無料で乗車できます。ただし、乗車するためには、ミニプログラムと呼ばれるウィーチャット内のアプリケーションで予約しなければなりません。予約して乗車を試みたところ思わぬトラップがありました。
予約時に身分証の番号を入力する欄があるのですが、一般的な中国人の身分証である身份证しか入力を受け付けていませんでした。パスポート番号を受け付けていなかったのです。

つまり、筆者が訪れた2025年1月時点では残念ながら外国人は乗車できないということになります。
限られた区間を予約して乗車するとなると、日常生活の移動手段として使うメリットはまだないといえるでしょう。ただし、運行エリアが拡大し、乗車方法も簡易になれば、市民の足として定着する未来がやってくるかもしれません。
[参考]
起猛了!深圳有自动驾驶公交了,就在前海!
深セン巴士集団が自動運転路線バスの運行開始(中国) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース – ジェトロ