「300万円のロスだけど」上司が若者を追い詰めて潰す“ベンチャー転職”で見た闇
年収1000万円のウラに…下剋上の世界
「会社は10人雇って9人辞めても、一人が年収1000万円を稼げる、スーパーマッチングするような人材を求めているんです。ベンチャー会社に人を見る目がないというより、10人集めて、その中で一人生き残ればいいという乱暴なやり方なんです。育成する文化がない。まるで外資系のようでした」
柳川さんはついに辞職を提出します。悔し涙を堪えながら「大手アパレル会社で自分はぬるま湯につかっていた。でもこんな経験はめったにないから、次回は死ぬ気で頑張ります」と語ったそうです。
その甲斐があって、辞職から半年後に、中堅の企業に転職。企画営業部に配属され、販売は別部門。ベンチャー企業でどん底にたたき落とされた経験を活かして「油断せずに、目の前のことを必死にやります」と気を引き締めているそうです。
<取材・文/夏目かをる イラスト/zzz(ズズズ)@zzz_illust>