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給料でやたら手取りが減る謎。天引きされる保険料を知ってる?/控除編

コラム

 それでは健康保険、介護保険 、厚生年金の保険料がどのように決まるのか簡単にご説明しましょう。保険料が決まるのは次の3つのときです。

① 会社に入社したとき
② 毎年4、5、6月の給与を平均して、9月の保険料から見直しをするとき
③ 昇給または降給したときに3か月の平均をとり、4か月目の保険料から見直しをするとき

 具体的な計算方法は、給与の総支給額に応じて、「標準報酬月額」という保険料計算のもとになる額を設定し、それに定められた料率を掛けて、健康保険料、介護保 険料、厚生年金保険料を決めます。

給与の15%負担でも“メリット大”

澤上貴子

澤上貴子氏

 健康保険と介護保険の料率は、加入している保険によって異なります。厚生年金保険の料率は日本全国同じです。健康保険料、厚生年金保険料の合計だけで、給与のおよそ14~15%ほどが天引きされるイメージです。これは大きな負担ですね。

 しかし忘れてはいけないことがひとつあります。それは健康保険、介護保険 、厚生年金とも、会社が保険料を半分負担してくれているということ。給与明細では見えない部分ですが、これはありがたい仕組みではないでしょうか。会社に勤める大きなメリットのひとつとも言えるでしょう。

 毎月の給与から引かれる保険料とは何か。保険料を支払うことによってあなたが受けることができるメリット。おおまかに掴んでいただけたでしょうか。

<TEXT/澤上貴子>

さわかみ社会保険労務士事務所代表。特定社会保険労務士/健康経営エキスパートアドバイザー。会社の発展を支え、従業員のモチベーションを育む労務コンサルティングを目指す。20年以上の豊富な実務経験にもとづく、的確で時には攻めの姿勢のアドバイスと、きめ細やかな対応が評価を得ている。労働諸法令に関する指導・相談・手続・講師業、その他多岐に亘る分野において、良心と強い責任感をもって展開している

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