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1番の苦労は「入店拒否」。全盲のヘルスキーパーに聞く、盲導犬と暮らす日々

暮らし

テラス席に案内されることの違和感

 実際に入店拒否された際にはどうしているのだろか。

「店側にもやむを得ない事情がもあるかもしれませんが、泣き寝入りしているだけでは、現状は改善されません。『行政の担当窓口から指導が入る可能性がありますけど大丈夫ですか?』とはっきり伝えます。それでも拒否された場合、後日、相談窓口に電話しますね」
 
 入店できた場合でも、モヤっとすることはあるという。

テラス席に案内されることがよくあります。ただ、訓練を受けた盲導犬はハウスペットとは違うため、本来は店内の席でも問題ないはず。さすがに暑い日や寒い日にテラス席はツラいですよね。

 また、私が『テラス席でも大丈夫です』と言ってしまうと、他の盲導犬利用者が来店した際、『他の盲導犬を連れたお客様はテラス席を利用していましたので……』と言われかねません。生活しやすくするため、そこはキチンと意見するようにしています」

どこでも寝られる盲導犬

浅井純子

 盲導犬は、「自分の欲望をコントロールできるところ」が特徴だという。

「例えば、街中で他の犬を見かけても意識を飼い主に向けてくれたり、こちらがOKを出さない限りはご飯を食べなかったりなど、とにかく“自制”できるように躾けられています。もちろん突然吠えたり攻撃的な姿勢を見せたりということもありません。実際、飲食店などに入店すると『盲導犬ってこんなに賢いんだ』『びっくりするくらい大人しいですね』とスタッフさんに驚かれます」

 さらに盲導犬は「どこでも寝られること」も強み。普通の飼い犬では難しいだろう。

目の見えない私が「真っ白な世界」で見つけたこと 全盲の世界を超ポジティブに生きる

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