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オイシックスがシダックスの株式を取得。会員に依存しないビジネスが加速か

ビジネス

40億円が3年で80億円に

オイシックス

オイシックス業績※決算短信より筆者作成

 オイシックスはユニゾン・キャピタルが保有していたB種優先株を80億円で買い取るとしています。ユニゾン・キャピタルのB種優先株出資分は40億円と、およそ3年で2倍にその価値を引き上げました。B種優先株には普通株式対価取得請求権が設けられており、それが行使された場合、オイシックスは26.5%相当の普通株を手にすることになります。

 オイシックスがシダックスの株式を取得する理由は単純です。食材の宅配事業の会員獲得が伸び悩んで業績が頭打ちになることを懸念し、次の成長領域として給食・食堂を選んだのです。オイシックスは2023年3月期の売上高を前期比5.7%増の1200億円、営業利益を前期比7.9%増の45億円と予想しています。売上高を2桁台で成長させていたオイシックスの業績に急ブレーキがかかりました

会員数が頭打ち。打破する策はあるのか

 オイシックスはらでぃっしゅぼーやを買収し、DEAN&DELUCAを運営するウェルカムを関連会社化するなど、積極的なM&Aを進めてきたことで知られています。そのため、2022年3月末の段階で12億6100万円ののれん(合併・買収の際、買収額のうち相手企業の純資産額を上回る部分のこと)を計上しています。

 のれんの償却費が重く、売上高の成長が止まると利益率が悪化することにもなりかねません。事実、業績好調だった2021年3月期の営業利益は7.5%、2023年3月期は3.8%となり、3.7ポイント悪化する見込みです。

 オイシックスの会員数は2022年3月末時点で34万6083人で、最盛期の34万7772人(2021年9月末時点)から1700人あまり減少しています。新型コロナウイルス感染拡大で巣ごもり需要が加速すると、会員数は力強く増加しました。それが一巡し、現在は頭打ちとなっているのです。この現象はオイシックスが展開する他のサービスも同様です。大地を守る会は4万5000人、らでぃっしゅぼーやは6万5000人付近で足踏み状態が続いています

 オイシックスは会員に依存しないビジネスの在り方を模索していました。その1つが保育園への食材卸事業で、2015年から開始しており、2022年3月末時点で690園と契約しています

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