bizSPA!フレッシュ

売上5億円「日本一売り上げるホスト」の“壮絶な過去”と人に愛される技術

ビジネス

ヤク漬けだったボスから学んだ超合理的な思考

降矢まさき

売り上げ日本一を達成した一夜。男は歌舞伎町の伝説になった

 もうひとつ、遅咲きのホストが5億を稼げた理由として、ヤク漬けのボスから学んだ“超合理的な思考”は絶対に外せません。中学卒業後、建設会社を転々とし、最後に面倒を見てもらった会社の社長が、ボスその人です。

 日常的に覚せい剤のやりすぎで音信不通や給料未払いは当たり前。ただ、現場の仕事に関しては、一切の無駄を嫌う超合理主義者。資材の配置場所、運搬ルートなど、少しでも無駄があると、拳やボルトが飛んでくる日々。ずいぶんしごかれたけど、最短でタスクを達成する合理的思考が染みついたのは、このボスのおかげです

砂埃にまみれて「俺、一生このままなのかな……」

 23歳のときに独立しました。ヤンチャな人たちも多い建設現場で、癖のある彼らをいかにまとめ、家やビルを建てるという目標に向かう。“管理術”の基礎も、このときに学んだように思います。

 でも、ある日のことです。10代の後輩や60歳のおじさんらと、汚い格好でコンビニ飯を食べているときに、「俺、一生このままなのかな……」と妙に冷静になってしまった。砂埃にまみれて、顔は真っ黒になって。

 もちろん、建設業は悪い仕事ではない。ただ下請けの下請けである俺には、輝く未来は見えるわけでもない。俺はまだ20代半ばなんだから、もっと輝ける場所があるはず……って。学歴がない自分でも勝負できる場所を考えたときに、ホストが真っ先に浮かびました。単純にテレビの影響です(笑)。

 1年勝負してダメだったら、建築の仕事に出戻りする。そう覚悟を決めて26歳のときに上京しました。

おすすめ記事