「もう1時間…」“起きた時と寝る前”の習慣でムダをなくし集中力を高める
イチローさんの打率アップの秘訣?
その中で、ルーティンを行う時間を固定化して、決まった手順で行えば頭の中の漠然とした雑念や混乱も取り除くことができます。元メジャーリーガーのイチローさんも、現役時代はルーティンで野球に集中する状態を作っていたことは有名です。一時期は、毎朝必ずカレーライスを食べ、試合前の準備や練習メニュー、ストレッチも毎回同じ内容で、同じ時間に行っていたそうです。
試合中も、バッターボックスに入ったら、袖を引っ張りながら、バットの先端を投手側のバックスクリーン方向に向けるしぐさを打席ごとに繰り返していました。生活リズムから試合本番まで、ルーティンによって野球に集中する状態を作っていたのです。
これはつまり、逆に言うと野球以外の不確定要素を頭の中にいかに入り込まないようにするかを意識していた証拠ともいえます。ここまでスタイルを確立すれば、意思ではなく、行動を自動化して、あれこれ考えなくても脳への負荷を減らすことができるわけです。
「ピーク・エンドの法則」で自分の生活を変える
イチローさんのように、どうやってルーティンを自分の生活に取り入れるか? 同じレベルで行うのは、さすがに難しい。とはいっても、一般人もとりいれやすいちょっとしたコツがあるので、それを紹介します。
2002年にノーベル経済学賞を受賞した心理学者で行動経済学者でもあるダニエル・カーネマン氏によって提唱された「ピーク・エンドの法則」という法則があります。
これは、感情が最も高ぶった「ピーク」の経験とその終わり、つまり「エンド」の経験が、物事の印象を大きく左右する傾向を表すという法則です。また、「ピーク」でも「エンド」でもない細かい記憶は、全体的な印象にほとんど影響を与えないというものです。