“R-1王者”三浦マイルドが語る「マイルド軍団」と「お笑いに救われた」過去
「お笑いを続けていなかったかもしれない」
――哲夫さんに出会わなかったら、お笑いを続けていなかったかもしれないとのこと。なぜですか。
三浦:一度「笑い飯・千鳥の大喜利ライブ」に呼んでもらった時、広島弁講座をやったらめちゃくちゃウケたんです。直後に出た劇場「5upよしもと」での投票では最下位だったんだけど、笑い飯さん・千鳥さんのお客さんが「おもしろい」って言ってくれたネタなんだから、間違いないはずだって心の中では思えていました。
その後、2013年のR-1の前に、哲夫さんに会った時に何のネタをするか聞かれたので、悩んでいることを正直に告白したら、「いやいやお前、絶対広島弁講座のやつやれよ。あのネタだけを今からとことんやって仕上げろ、そうしたら優勝できるよ」って言われて。
だから、その年のR-1で優勝できたのも哲夫さんのおかげなんです。自信を持たせてくれるんですよね。結果が出ない時って、自分を奮い立たせながらじゃないと続けていけないけど、そういう時にすごく背中を押してくれる方なんです。
「人を育てる」って、自信を持たせることなんだとつくづく思います。人は、「こんなんもできへんのかアホ」とか言われ続けると、ますます失敗していくもの。失敗しても、100責めるんじゃなくて、自信を持てる部分を見つけてあげるなど、怒り方もすごく大切だと思いますね。
「神輿は軽いほうがいい」とメンバーに言われた
――「マイルド軍団」も規模が大きくなりつつありますが、課題や悩みはありますか?
三浦:「あいつ嫌いなんで」とか、「あいつにあんなこと言われました」とか、ほんまに言うてくるんですよ(笑)。
――人数が増えれば、人間関係も複雑に……。
三浦:男とか女とか関係なく、大きな組織のなかでは、人間関係の揉め事は起こり得るものでしょうけど、組織って、拡げることより続けることのほうが難しいなと。僕も軍団を作るまで、“数は力”とか思ってたんですけど、まったくそんなことない(笑)。少数精鋭っていう考え方もありますしね。
もちろん分母が大きければ、それだけそこから売れていくやつが出る可能性がある。誰かが売れれば周りにも刺激になって、いい影響を与えると単純に考えていたんですけど、拡げたら拡げたで、いろんな問題が生じてくる。難しいところです。まあ、僕が舐められまくってるんですよねえ。もっと強烈なカリスマだったらいいんですけど、神輿は軽いほうがいいってメンバーに言われましたからね、はっきり(笑)。