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コロナで売上60%減も… レンタカー業界、追い風にうまく乗れるかが今後のカギに

ビジネス

格安が特徴の「ニコニコレンタカー」

ニコニコレンタカー

©yu_photo

 株式会社レンタスが運営する「ニコニコレンタカー」は他の業者とは異なる戦略をとっており、(1)低年式車・中古車の活用、(2)既存業者によるFC展開の2点を主な方針としています。最新の車ではありませんが、その分安くサービスを利用でき、軽自動車の場合は12時間までの利用で税込2420円(アプリ会員)と圧倒的な安さを誇ります。

 トヨタレンタカー、ニッポンレンタカーのような立派な店構えではなく、ニコニコレンタカーと書かれた幟(のぼり)だけが立っているのをよく見かけますが、これは既存業者を利用しているためです

 ガソリンスタンドや地場の車両整備工場をFCとして採用し、業者が有する余った駐車場やスペースに車が止められています。カー用品店の「イエローハット」や中古車販売の「ガリバー」をのFC店舗を手掛ける「株式会社ホットマン」も2011年からニコニコレンタカーに加盟しています。

 運営元にとっては人件費やメンテナンス費用を抑えられる一方、FC加盟店にとっては自社が有する整備設備や余ったスペースを活用できるためWin-Winの形態といえます。無駄を省いた分が安さとして還元されているのでしょう。ただし店舗の特徴上、駅から離れた郊外型店舗が多く、利用する機会も少ないかもしれません。

駐車場で車を借りられる「Times(タイムズ)」

タイムズ カーシェア

©Nagahisa_Design

 黄色い看板が目印の駐車場というイメージが強いTimes(タイムズ)ですが、運営元の「パーク24株式会社」は店舗型レンタカーの「タイムズカーレンタル」とカーシェアリングの「タイムズカー」を運営しています。

 前者は一般的なレンタカー業態ですが、タイムズクラブ会員であればグアム、ハワイ、ヨーロッパで提携するレンタカー店で車を借りられるなど、海外旅行者向けのサービスが豊富なようです。

 そして後者のタイムズカーはタイムズパーキングに車が用意してあるのが特徴で、2018年のサービス提供開始当時、その珍しさからさまざまなメディアで取り上げられました。店舗を用意する必要がなく、既存の駐車場をステーションとして利用できるため運営元にとっては低コストで展開できるのがメリットといえます

 ステーション数は他社が数百や数千か所に留まる一方、タイムズカーは1万3000か所を超え、圧倒的な規模を誇ります。そこら中で借りられるため消費者にとってもメリットの多いサービスです。利用後は車を借りたステーションに返さなければいけないのが難点ですが、乗り捨てが可能になればさらに利用者は増えるかもしれません

 同社が公表した2021/10期末の決算資料によると、タイムズカーの需要はコロナ禍においても都市部の需要が堅調なため、今後も展開を加速させるようです。レンタカーではトヨタがトップですが、カーシェアリングではTimesが首位を維持し続けるでしょう。

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