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ウーバーイーツの“不法就労”が命綱だった…ベトナム人女性ら外国人配達員の本音

ビジネス

「結婚します!」突然電話が…

アジア人女性

 ウーバーイーツ ジャパンでは、「外国人の不法就労を助長している」として2021年6月、関係者らが書類送検されています。この問題をうけ、8月25日以降は在留資格が留学・文化活動・就労制限のある「特定活動」の外国人について、配達員の新規登録を停止しています。

 そんなある日、フンさんから明るい声で「結婚します!」と筆者に電話がありました。なんでも東京は出会いがいっぱいらしく、お相手は日本人男性で、配達中に知り合ったレストランの店員だといいます。

「ビザがなくても結婚できます。来月、入国管理局へ行きます」と話すフンさん。日本では不法滞在でも結婚は可能です。また、入国管理局での申請は必要なものの、在留特別許可が認められる可能性があります。在留特別許可とは、不法滞在などで退去強制事由に該当していても、在留を希望する理由や家族状況、生活状況、素行、内外の情勢などを考慮して特別に在留資格を与える制度。

 フンさんのように日本人や永住者と結婚、もしくは結婚を希望する外国人についても許可がおりる可能性があります。在留資格がもらえれば、フンさんのケースは特別なシンデレラストーリーとなりますが、フンさんの話では知人の中でも同じような境遇の外国人は大勢いると話します。

コロナで収入激減したベトナム人留学生

 東京の大学へ通うベトナム人留学生のタンさん(仮名・22歳女性)も、ウーバーイーツの仕事に救われているという外国人の一人です。タンさんはハノイ郊外に実家があり、家は比較的裕福で、ベトナムでは恵まれているほうだといいます。

「家族からは仕送りがあります。大学はコロナでぜんぶリモートになりました。コロナ前はコンビニと牛丼屋さんで週4日、働いていました」

 コロナ禍により飲食店は時短営業となり、アルバイトの勤務時間は激減。実家からの仕送りだけでは、タンさんは生活できなくなってしまいました。

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