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パワハラ疑惑の飲食店、潜入捜査官が明らかにした“店長の本性”とは?

学び

 潜入したのは、この会社が契約している外部コンサルティング会社の若手社員Kさん。A店は慢性的な人材不足だったので即採用となったそうです。

「Kさんからはバイト初日に『店長は腰巾着の古参のパート以外に対する態度が非常に高圧的』といった内容の報告があり、懸念していた通りのものでした」

厨房では店長の?責、怒鳴り声の嵐、アルバイトも委縮

モンスター上司

 店長は働き始めたばかりのKさんにも小声でないのに「(接客の)声が小さい!」「笑顔が気持ち悪い!」など言いがかりのような文句をつけてきたとか。

 また、不注意から皿を落として割ってしまった別のアルバイト男性には「何やってるんだ!」と怒鳴る一方、女性アルバイトには同じミスをしても「気をつけてね~」と優しく言うだけで対応にも明らかな差があったといいます。

「女性のアルバイトでも特にかわいいコには、彼氏の有無などプライベートなことを聞いたり、食事やデートに誘おうとしていました。しかも、断られると態度を一変させて厳しく当たってたんです」

 Kさんが事務所に隠しておいたICレコーダーに一部始終が録音されており、潜入捜査はわずか1週間と、本部の予想よりも早く決定的な証拠を掴むことができたそうです。

バイトだった潜入捜査官が正体を明かし、絶句する店長……

 後日、本部に再び呼び出された店長は、本部長や佐藤さんから再生された音声データを突きつけられます。

 最初のうちは「俺の声じゃない!」と苦しい言い訳をしていた店長ですが、そこにスーツ姿でKさんが登場。会社の委託を受けて潜入調査を行ったコンサルティング会社の社員だと明かして、ついに観念。

 パワハラやセクハラまがいの態度を取って、アルバイトを次々と辞めさせていたことを認めたそうです。

「水戸黄門の印籠じゃないですけど、Kさんの正体を知ったときの店長の驚いた顔は面白かったですね。私も店長より年下だったので会うたびに先輩面して嫌味を言われていたので、正直いい気味でしたよ」

 結局、店長は専務から「現場に立つ資格がない!」と断罪され、食材など管理する配送センターに左遷。出世の道は完全に断たれてしまうことに。

 今は能力があれば多少の問題が許されるというご時世ではありません。自分が上司となったとき、周りからモンスター扱いされて排除されないように気を付けよう!

<TEXT/トシタカマサ イラスト/zzz(ズズズ)@zzz_illust

ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中

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