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300円のタオルも買えない!汚部屋育ちの「東大生」が抱える意外な悩み

トイレでスリッパを履くカルチャーショック

――家を出たハミ山さんは、東大卒業後、会社員として働きながら結婚。今は仕事、育児をしながら漫画も書いています。すごく忙しくないですか?

ハミ山:自分の場合、余白の時間があると、どんどん精神衛生上悪くなり、ス〜〜〜ッと落ちてく。余計なことを考え出してしまうので、受験生の時も隙間なく勉強をやり続けたというのがあります。忙しいくらいが自分の場合にはちょうどいいみたいです。

――今の生活で困っていることはありますか?

ハミ山:片付けが苦手っていうのはもちろん、生活の常識を知らなくて悩んでいます。本などで勉強できることでもないので、地道に、知らないことを潰していくしかない。うちは土足で上がってたレベルなので、トイレでスリッパを履いて清浄と不浄を分ける、ということもカルチャーショックでした。できないことって、自分では気がつかないので難しいです。漫画の中で描いた、脱いだ上着を地べたに置いていたのも人に変だと指摘されなかったら分からなかったです。

汚部屋

物が散乱している当時の家(本人提供)

物が買えなすぎて困っている

――他に困っていることはありますか?

ハミ山:物欲がないというか、ほしいものがわからなくて自分のものがなかなか買えない。自分で稼いで何かを買うっていう経験がなかったので、今も後遺症みたいな感じで、「いいな」と思うものがあって、それを買うために十分なお金を持っていても、買おうというアクションに移れないんです。

 1000円ぐらいのものでも、なくても生きていけるなってすぐに思って諦めてしまう。「タオル可愛いな」って300円ぐらいなのに買えない。それは生い立ちのせいなのかなって思います。自分で金額を決めて買い物をするっていうのが苦手で、結構本気で悩んでいます。

――買いすぎるのではなく、買えなすぎて悩むなんて驚きです。他にも困ってることはありますか?

ハミ山:自分が何かやりたい時に人に言えないというのがあります。何かしたいって言った時に対応が噛み合わなかった経験が蓄積されていて、相手にそれを言っても伝わらないんじゃないか、と誰に対しても思ってしまうんです。相手の意図を察するように忖度をしていくと、人間関係は表面的にうまくいくんですよ。でも、こっちがだんだん持たなくなってきて、疲れ切ってしまうことがあります。ルーツをたどると、母と会話ができなかったからかなと思います。

汚部屋そだちの東大生

汚部屋そだちの東大生

私はずっと…ただただ「普通の生活」をしてみたかった――。東大卒作家の半自伝的、毒親との共依存ものがたり

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