自殺も考えた過去。10万人に1人の難病になった俳優の「絶望の乗り越え方」
記憶障害、頭に金属…「ふざけてる」と思わないで
――記憶障害があることも公表しています。
間瀬:僕、もともと記憶力はすっごくいいんです。人の名前とかすぐ覚えるし、忘れたことがなかった。でも退院して、小学校時代の同級生に会った時、確実に知っているはずなのに、そいつが誰だかわからないんですよ。なんか知っているけど、わからない。
マネージャーに、「今どこいるの?」って訊かれて、ごめんわかんない、っていうことがあったりする。そういう苦しみがありますね。いまだにあります。みんなにとって「当たり前」のことが答えられないので、真剣に言ってても「ふざけてるんですか?」って言われることも結構あります。こういう見た目だからっていうのもあるんでしょうけど(笑)。
あと、よくあるのが、金属探知機に入るような場面で、念のため「頭に金属入ってて……」って言ったら、ギャグかと思われて、「ネタですか?」みたいな。冗談じゃないんだけどなっていう。これは表面上「いやいやホントです」とか笑ってるけど、内心結構グサってくるやつかなあ。
思いもよらなかったヘルプマークとの「縁」
――ヘルプマークの作り方や、その意味など、認知度を高める活動もされています。外見ではわからないけれど、日常生活や災害時の援助や配慮を必要としていることを示すマークのことですね。
間瀬:僕は病気になってからヘルプマークを作りましたが、その前から実は少し関わりがありました。病気がわかる前、僕を弟のようにかわいがってくれている元いいとも青年隊の岸田健作くんから、ヘルプマーク啓蒙活動のイベントに出てくれないかと誘われたんです。
――岸田さんは、SNSでの呼びかけのほか、音楽イベントでの飛び込み講習など、認知度アップの活動をされています。ストリートライブをしていた時に所持者の方から教えてもらい、初めて知ったことをブログに記しています。
間瀬:そうそう、その時、「これから俺、ヘルプマークの普及をしていきたいんだよね」って言ってて。その話を聞いて、「僕もいつかお世話になるかもしれないし、協力しますよ」って言ってたら、まさかの、その年の暮れには僕も持つ側になっちゃってた。運命を感じましたね。