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「東京証券取引所」はどんな会社?社長が引責辞任したシステム障害も

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「東証の事故報告書」2つのポイント

 事故報告書を読んだ時、率直に「緊急事態に対して可能な限り迅速に対応・判断している」と思いました。その理由は明確に2つあります。1つ目は「事故報告書内の各行動の時系列のログがはっきりしている」ことで、2つ目は「不具合発生の理由が経緯含めて明確に書いてある」ことです。

 システム開発・運用に携わったことがあれば、事故報告書の内容を読めば「何が起きたか」がありありと想像できる粒度で記されています。また、起きたこと(システム機器の故障→バックアップへの切り替え失敗)は、システム開発・運用の現場で「普通にあり得る」内容でもあります。

 時系列を分単位で公表できるのは、「該当ログ」をきちんと調べられる状態にしてあることと、緊急時の行動の記録がきちんと行える体制であったからです。また、「終日売買停止」という重い判断をする時に、複数社にものぼるステークホルダーにシステム要件含めてヒアリングしたうえで午前中に判断を完了するのは、相当迅速に動かないと難しいです

 そして、これら2つをいきなり緊急時に対応するのは無理なことで、「事前に準備していた」からこそ完遂できていることは忘れてはなりません(これを例証するJPXのシステムへの「事前の準備」がうかがえる箇所については後述します)。

みずほ、セブンの対応と比較して

7pay

※画像は公式サイト(2019年当時)より

 さらに言うと、システム障害において、迅速に判断し、明瞭な事故報告書が書けているケースは日本の企業では珍しいです。2011年に発生したみずほ銀行の大規模取引停止時の報告書は「2011年3月14日夜から24日にかけて」といったように「非常にふんわり」しています

 また、2019年7月に起きた「セブンペイ」不正アクセスについての事故報告も同様の「ふんわり」具合かつ、判断が遅いことが明確にわかります。不具合検知から「アクセス遮断」を判断するまでに3日かけているのは、正直、現場経験者の目からすると、「ありえない」仕事です。

 これらの企業の対応と比較するとより明瞭ですが、JPXが扱っているシステムが「日本経済を支えている」規模であることを踏まえると「かなり的確」に対応できていると感じざるを得ません。この点については、はっきりと高く評価すべきだと思います。

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