「お荷物の30代社員」がリモートで覚醒。屈辱に耐える年下上司の告白
リモートだとよくしゃべる性格
さらには、他部署を交えたリモートの打ち合わせでは、鎌田さんは本条さんを差し置いてデザイン関連の話題をコントロールするようにもなります。
「誰もが驚くような状況でした。最初は上司たちもただ面食らっていただけでしたが、次第に鎌田さんをほめ出しました」
扱いが難しいとされていた鎌田さんは、リモートワークならばリーダー的なボジションを任せられるのではないか、そんな声もあがるようになります。
「先輩から聞いた話では、以前の鎌田さんは控えめながら、自分の意見をはっきり言うタイプだったそうです。それが、前任の上司とそりが合わず罵倒されるようになって、精神的に病んでしまったようでした。リモートで会議している時の鎌田さんが本来の姿なんだそうです」
見下していた人が上司になるかも
鎌田さんの復活は、本庄さんにとって脅威でした。
「コロナウイルスがなければ、夏から入る予定だった案件では、僕の下にさらに2人部下をつけてもらうことが決まっていたんです。10月からは役職がつくことも期待していました」
しかし、上司からは鎌田さんの下で勉強して欲しいとの話が……。
「言い方は悪いかもしれませんが、それまでの鎌田さんはお荷物でした。正直言って僕も下に見ていたので、鎌田さんの部下になることを想像すると、屈辱感がすごいんです」