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世界初の「クラフトコーラ」を作る若き職人。大手広告代理店から独立したワケ

ビジネス

「コーラの伝道師になりたい」

 身内からの思わぬ助言が、世界初のクラフトコーラ誕生に大きな影響を与えたのだ。また、小林氏は「コーラ小林」という名前で伊良コーラの販売を行い、自ら「コーラの伝道師になろうと思っている」と言う。

「そもそもコーラって手作りするものとは知らない人も、まだまだたくさんいると思っているので、クラフトコーラを知ってもらって、コンビニや自販機で手に入るコーラとは全く違う味だということを体感してもらいたい」

コーラ

本物のコーラの実を使って作られたクラフトコーラの「魔法のシロップ」。小林氏が100年前のコーラレシピに基づき、1つひとつ丁寧に作り上げているという

 小林氏おすすめの伊良コーラの飲み方は「ミルク割り」。試飲させてもらったが、スパイスの効いたチャイのような味わいを楽しめ、口当たりが良いと感じた。

「お酒で割りたいならウイスキーやラムと相性がいいですし、人によってはオレンジジュースと割って飲む方もいます。お土産として買いたい、地方でも飲みたいという声もいただいているので、炭酸水で割って自宅で伊良コーラが飲める『魔法のシロップ』をネット販売しています」

5年以内に名だたるブランドと肩を並べたい

コーラ

コーラ工房の様子が間近で見られる

 現在は、下落合にある路面店「伊良コーラ総本店下落合」と、東京・青山のファーマーズマーケット(※コロナウィルス感染拡大防止のため開催休止中)での販売が、伊良コーラの主な販路となっている。伊良コーラ総本店下落合では、工房の様子が間近で見られる構造になっており、出来立てのクラフトコーラが飲めるとあって、近所の住人を中心に1日数十杯以上出るという。

 同店は金・土・日曜日の午後のみ、ファーマーズマーケットは土日日中の営業で、残りの時間はクラフトコーラの調合をしたり、ブランド認知を広めるための活動に充てたりしているとのこと。今後の展望について、小林氏に伺ったところ、次のように抱負を語った。

「下落合の店舗とファーマーズマーケットの販売を継続しつつ、将来的には表参道や渋谷に直営店を開き、さらに多くの人にクラフトコーラを知ってもらいたい。同時に、バーや飲食店などへの卸売販売も強化し販路を広げたいと考えています。

 直近では、ラーメンの麺屋武蔵さんとコラボした『クラフト香良(コーラ) つけ麺』を限定販売するなど、スイーツや料理、アパレルといった企業とのタイアップも行なっています。目標は、5年以内に『コカ・ペプシ・イヨシ』と言われるようなブランドを創り上げること。世界中に認知されるよう、これからも挑戦していきます」

※追記4/13:新型コロナの影響で店舗も臨時休業中。伊予コーラは「オンラインストア」で販売中

<取材・文・撮影/古田島大介>

1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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