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駅のホームから無意識に飛び降りそうに…ブラック企業社員のリアル

学び

 長時間労働の是正、柔軟な働き方の実現などを目的に成立した「働き方改革関連法案」。

 2019年4月から大手企業を対象に順次施行が始まっていますが、中小企業では猶予期間を経て2020年の4月から罰則規定も含めて運用がスタートします。

ホワイトな職場

※画像はイメージです(以下同じ)

 しかし、いまだに休日出勤や深夜残業が当たり前となっている会社があるのも事実。2019年に機械メンテナンス会社を退社した橋本次利さん(仮名・28歳)は「少なくとも長時間労働については、是正(ぜせい)どころか、さらにひどくなった」と言います。

少数のスーツ組が会社を支配

「辞める前の年、会社が合併したんです。それでも社員は40人もいませんでしたが、僕がもともといた会社のほうが規模も売り上げも少なくて立場が弱かったんです。

 社内では営業やメンテナンス作業のスケジュール管理、デスクワーク全般を行う“スーツ組”が10数名いて、管理職以上はほぼ彼らが独占。残りの3分の2を占めるメンテナンス作業を行う“現場組”を支配していました」

 合併相手の会社よりも立場が弱く、現場組の若手社員だった橋本さんの社内の立ち位置は最下層。

 おまけに大卒者ばかりのスーツ組は、橋本さんのような専門学校卒や、高卒が中心の現場組を見下すような言動をし、その風潮は合併以降も変わらなかったといいます。

「気に入らなきゃいつもで辞めろ」

怒られるビジネスマン

「一応、正社員ではありましたが、『お前らは非正規(雇用)同然』『代わりはいくらでもいるから気に入らなきゃいつもで辞めろ』なんてことを言ってくるスーツ組もいました。

 言い返したところで立場を悪くするだけなので我慢しました。特に僕は若かったので毎日のように暴言を浴びせられていましたが、そのうち自分が本当にダメになったような気がして……」

 ちょうど合併の数年前から現場組の社員数名が定年退職。が、会社が受注するメンテナンス業務の数は変わらないのに社員の補充はありませんでした。

 合併以降も、現場組を支えていた中堅社員が立て続けに辞めてしまい、若手社員はそのシワ寄せをモロに受けることになります。

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