営業先はヤクザの事務所。憧れの「コンサル仕事」は超ブラックだった
同期が壁と会話したり、吐いてしまうように…
モチベーションが下がる施策にもめげず、とにかく「営業ノルマさえクリアすれば天国」かと思いきや、そうでもなかったそうです。
「新人に課せられた目標は月4本でした。でも、3日で1本は契約を取らないと「儀式」があります。たとえ月4本の契約をクリアしても、3日に1本なんてほとんど“無理ゲー”ですから……」
こうした理不尽ともいえる環境で過ごしているうちに、案の定、精神的におかしくなるメンバーが出てきます。
「いきなり壁と会話しだしたり、テレアポしながら吐く人もいましたね。夏までには同期入社の半分がやめて、1年経つ頃には2割ぐらいになっていました」
なんとか1年を乗り切った村井さんは、人事の役員と面談することになりました。そこで兼ねてから疑問に思っていたことを尋ねることに。
「お前らの根性を試したんだ!」
「どうして、情報通信業なのに、パソコンが部署に3台しかないんですか?」
役員は「よくぞ聞いてくれた」と言わんばかりに答えました。
「あれはな、あえてハンデを与えることで、お前らの根性を試したんだ!」
この言葉を聞いて心底馬鹿らしくなり、村井さんは退職を決意したそうです。
<TEXT/和泉太郎 イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>