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内定辞退するなら、企業に電話をすべき?就職ポータルサイトの盲点

学び

就職ポータルサイトが推奨するふるまいとは?

 しかし、就職ポータルサイトでは、次のようなふるまいを推奨しているのです。

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 内定辞退を企業に伝える場合は、まず採用担当者に電話で伝え、その上で直接おわびに行くのがマナーです。辞退の理由を聞かれますので、「他社から内定をいただいたため」と、企業名は伏せた上で、正直に理由を伝えるのが望ましいです。さらにこのあと、郵送でわび状を送るのが社会人としてのマナーです。

 正式な内定日である10月1日前に取り交わした内定誓約書などの書面には法的な拘束力がなく、内定者から申し出て内定解除をすることができます。たとえ法律上で許されているとはいえ、一度締結した契約を反故にするのは企業にも影響をあたえてしまいます。よほどの事情がない限りは、内定誓約書を提出した企業へ入社する道を選択するのがよいでしょう。(リクナビ『新卒採用のリクナビ〈内定後やらなければいけないこと〉内定辞退の対応方法』より)
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 私自身、まだ就職活動の記憶が新しいせいか、ここで説かれる「社会人のマナー」に 白々しさを感じてしまいます。就活は本来、企業と学生がお互いを選び合うもののはず。

 内定が出ないということは、企業の評価基準に合わなかったということ。一方、内定辞退は企業が就活生の評価基準に不合格だったということです。

2019年の「リクナビ事件」を受けて

セキュリティ

 2019年、リクナビは、サイト内で集めたデータをもとに就活生の内定辞退の予想確率を計算し、無断で企業に販売していたことが発覚しました。

 つまり、就職ポータルサイトにとって、なにより大切なクライアントは企業だということ。企業のほうを向いてサービスをしているサイトの説く“マナー”など、真に受けなくていいと思います。

<TEXT/桐畑昴>

ONE-BYE合同会社代表。1996年生まれ、京都府出身。京都大学法学部卒。大学在学中に退職代行にてアルバイトを開始。卒業後、令和への改元直後に、ONE-BYE合同会社を設立し、退職代行・内定辞退代行サービスの提供を開始。自身も他社の退職代行を利用して退職した経験がある

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