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「ココイチ」の壱番屋が、世界一のカレーチェーンに成長できた理由

ビジネス

3)社風:労働時間に関する不満が少なめ

ココ壱番屋

壱番屋の口コミトップ(openworkより引用)

 まず、各種口コミサイトを確認していきます。ただし、各種口コミサイトは転職支援事業をビジネスにしており、各企業がクライアントにもなっている関係上、著しい悪評は公開されないようになっています。その制約を踏まえて、特徴を整理していきます。

<良い点>
・シフト制なので平日に休みやすい
・妊娠・出産時に休みやすく、復帰している女性もいる
・フランチャイズ独立のためのサポートが手厚い

<気になる点>
・残業が多め
・盛り付けなどに、細かなルールが多い
・勤務後、体にカレーの匂いがしみつく

 残業や休日出勤が多くなりやすい飲食業界の中で、早めに働き方改革にも着手しているためか、労働時間に関する不満が少なめの傾向が伺えました。本部の権限が非常に強い体制のため、現場のオペレーションもルールが多いので気になる人は気になるでしょう。ただし、これらのルールは本部のサポートが強いことの現れでもあるので、現場としては比較的働きやすい環境であると考えられます。

 また、企業として自浄作用が非常に強い点も特筆すべきでしょう。2016年に起きたココイチが処理を依頼した廃棄品が産廃業者によって横流しされた事件は、ココイチのパート勤務スタッフによる本部への通報が第一報でした。この報せを受けて本社も全容解明に乗り出し、第一報からわずか1日で自ら警察への通報を完了させました。

 それから引き続き、自ら経過報告を自発的に出し、再発防止策含めて6日間で誠実に対応を進めました。土日も挟んでいることを考慮すると、非常に迅速な対応です。

 そして、再発防止策が決算資料(ポジティブな報告)と同レベルの明瞭な内容であることにもご注目ください。6日でトラブルに対してこれだけの対応ができるということは、普段からその深さで物事を考えて、実行していることを示しています。

壱番屋「ホワイト/ブラック度」判定

★★★★★

 事業規模が大きく、儲かっている会社は現場に強いしわ寄せが来て、働きにくい傾向がありますが、比較的しわ寄せが少なく、現場として働きやすい企業であると予想されます。

 ただし、それ以上に経営層の人格の高潔さと、その倫理水準が末端にまで行き届いていることが非常に印象的でした。この高潔さと事業規模の両立に敬意を評して、最高評価としました。

<TEXT/ブラック企業アラート>

ブラック企業を生き抜いた歴戦のプロダクトマネージャーが、公開情報からホワイトorブラックを判定し、率直な理由とともにお伝えします。
Twitter:@blackc_alert
note:ブラック企業アラート

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