結婚式のスピーチで頭が真っ白に。どうやってピンチを切り抜けた?
結婚式といえば、一生に一度きりの晴れ舞台。新郎新婦だけでなく、大切な余興やスピーチなどを任された人たちにも忘れられない日になるでしょう。
IT企業の営業職を経て、個人で事業を立ち上げた工藤亘さん(仮名・35歳)は、3年前に、中学からの親友・坂井さん(仮名)の披露宴で、友人代表としてスピーチを担当しました。
その際、予想外のハプニングがあったそうです。何が起こったのでしょう。
中学の同級生の結婚式でスピーチを担当
「坂井は中学生のときから成績優秀で、運動神経バツグン、ルックスも良かったので、女子から人気者でした。ただ、本人は恋愛にはあまり積極的ではなく、どちらかというと無口な性格でした。でも友達は多く、わたしとも性格がまったく違ってもとても仲が良かったんです」
中学卒業後も同じ高校に進学した2人は、工藤さんが卓球部、坂井さんはテニス部と、それぞれの部活動に励んでいました。それでも時間を見つけて、月に数回はファミレスやマックで会っていたそうです。
「大学生になると、19時からお酒を飲んで深夜にカラオケで歌って、朝の5時に解散するみたいな生活を送っていました。坂井と飲むときは翌朝に帰ることが多かったです」
10年以上にわたる親友同士。社会人になると、工藤さんが聞き役になることも多く、無口な坂井さんは工藤さんに、仕事の相談や彼女のことなどもざっくばらんに話すようになったそうです。
「カンペを見るのはダサい」認識が命取りに
そんなある日、坂井さんから「結婚する」と聞かされます。工藤さんは、すぐに相手がわかったそうです。
「共通の知人で、飲食店のバイトで知り合った同じ年の彼女でした。明るくてグイグイ引っ張ってくれるタイプで、坂井は彼女と8年間も交際していました。30代も半ばに差し掛かってきたので、いわゆるケジメ婚ってことでしょう」
結婚式はGWの真ん中。新緑が映えるチャペルで結婚式を挙げたのちに、隣接しているおしゃれな披露宴会場で、工藤さんは友人代表としてスピーチを任されます。
「いわゆる見栄で、カンペを見るのはダサいと思ってしまいました。すらすらとジョークを交えて話して、会場を沸かせたかった。営業職だから、人前で話すことには慣れていたし、自信もありました。ところが壇上のマイクの前に立った瞬間、頭が真っ白になってしまったんです」
心臓がどきどきし、「自分がスゴく緊張している」と意識すればするほど、何を言っているのかがわからなくなったそうです。