くりぃむ上田晋也の付き人芸人が語る、目上の相手に怒られない「側近術」
相手の気持ちを先回りして考える
――ときには失敗することもありますよね?
浜ロン:車で一人で待っているとき、上田さんが家から出てくる1分前くらいにオナラをしたくなったんですよ。時間がなかったんで、車の中でオナラをすると同時にそれと同じ時間だけ消臭剤をかけたんです。上田さんが入ってきて「いい匂いがするな」って言ったので科学の勝利です。
――(笑)。怒らせてしまったときはどうしていますか?
浜ロン:上田さんは頭のいい方なので、ごまかしは通用しません。なので、ちゃんと説教を聞いて、きちんと謝ります。気を付けていることがあるんですけど、その後ってすぐに楽しく話したりできないじゃないですか?
でも、時間が経って、相手が話しかけてくれたときって、許そうとしてくれている合図だと思うんですよ。そこで、もう一回改めてきちんと謝ると、良い空気が流れるんです。上田さんは照れながら「わかりゃいいんだよ、わかりゃ」とドスの効いた声で言ってくれます(笑)。
――自分で空気を作るってことが大切なんですね?
浜ロン:上田さんが仕事に行っている間に「新しいテレビの接続と録画ができるようにしておいてほしい」って頼まれたことがあったんです。接続ができた報告をするときに「接続できました!」って言っても、向こうは「ありがとう」って言うしかないじゃないですか?
なので、「いやしかし、ウィル・スミスはいい演技しますね~」ってメールしたんですよ。ってことは、接続できてDVDが観られるようになったんだなってわかってもらえますよね。しかも、「こいつは勝手に人の家でウィル・スミス観て、楽しんでくつろいでんじゃねぇよ」ってなれば、相手の申し訳ない気持ちもなくなるし、和やかな空気になるじゃないですか。
側近術は「主人の周りごと幸せにすること」
――浜ロンさんは、目上の人と良好な関係を築くための処世術として「側近術」を提唱していますが、どのような意味でしょうか?
浜ロン:側近術って主人に寄り添うことじゃないですか。でも、結局、主人の“周りごと”幸せにしないとダメなんですよね。主人だけを盛り立てるっていうのは見え方が悪くなるんですよね。
だから、「あの人“たち”、常識あるなぁ」と思われるようにしないといけないので、そこにいるすべての人を“主人の周り”ごと幸せにするっていうのが側近術だと思います。
――上田さんだけじゃなくて全体を見渡すってことですか?
浜ロン:そうですね。視野の広さが大切だと思います。側近の人って飲み会で主人に尽くそうとすごく頑張っちゃうんですよ。でも、相手側にも上下関係があるわけじゃないですか?
こっちの部下が頑張ると、あっちの部下は、上司に「お前、全然働かねぇな」ってダメ出しされるんですよ。自分だけが褒められることを目指すんじゃなくて、部下同士で仕事を分け合えば、場の空気が良くなり、お互いに良い関係が築けるんですよ。