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「稼げない仕事に夢なんてありますか?」28歳朝ドラ俳優・矢本悠馬の仕事論

学び

 朝ドラ「半分、青い」での好演も記憶に新しい矢本悠馬さん(28)。現在出演中のドラマ「今日から俺は!!」でも注目を集めています。

ノーマーク爆牌党

© 2018片山まさゆき/竹書房/『ノーマーク爆牌党』製作委員会

 そんな矢本さんが、片山まさゆき氏の麻雀コミックを原作とした、天才雀士・爆岡と手堅い打ち筋の大学生・鉄壁らの熱戦を描く『ノーマーク爆牌党』で、爆岡役のお笑いコンビNON STYLEの石田明さんと共に、鉄壁役で主演を務めています。

 本作に入るまで麻雀をやったことがなかったという矢本さんに、作品についてはもとより、「親が決めたから始めた」役者業について、「もっと売れたい!」と思っている現在の心境の意味について聞きました。

「鉄壁みたいな人のことを分かりたくないと思って生きてきた」

――20代の若者で麻雀をする人は少なくなっているかと思います。麻雀モノとしてではなく、矢本さん主演の青春モノとして観る人も多いかなと。

矢本悠馬(以下、矢本):僕も麻雀の知識はなかったんです。最初に原作を読み始めましたが、やっぱり映画とは別モノだと思うので、台本に目を通すことにしました。いつも台本をいただいたときには、最初にざっと読んで、全体像を頭に入れて、そこから細かく読んでいくんですけど、最初の「ざっと」の時点で、何が書いてあるか全然分からなくて(苦笑)。ルールと牌の読み方が分からないと先に進めないので、携帯を片手に読んでめちゃくちゃ時間がかかりました。

――未知の分野というのに抵抗はなかったですか?

矢本:いや、役者というのがそもそもそういう職業ですから。いつも新しいことに挑戦する。なのでそのことにたいする抵抗もストレスも全くないです。むしろ麻雀に関しては、やってみたいなという興味はあったんです。だからここで強制的に叩き込めるのはいい機会だなと思いました。

――演じられた鉄壁は、名前通り、鉄壁な手法を取る固い雀士です。演じるうえで気を付けたところや、キャラクターとして分かるなと感じたところは?

矢本:最初は、キャラクターとして分かるなという部分はなかったです。僕は鉄壁みたいな人のことを分かりたくないと思って生きてきたので。鉄壁みたいな人は、損してるんじゃないかな、もっと人生は柔軟に広げていったほうが楽しいんじゃないかなと思ってたんです。

 でも演じているときに、感じたんですよね。鉄壁は保守的で内向的な人間なのに、真逆の性格の爆岡を見て、「なんで俺はこうなれないんだ」みたいな気持ちと闘っている。だから外に出ている性格は真逆だけど、内で思っていることは同じなのかなって。逆に爆岡にも保守的な部分もあるし。だから僕みたいな人間も鉄壁も、表に出る性格が違うだけで、根っこは同じなんだと感じました。

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