有名ホテルが80%割引『リゾートワークス』代表が語る旅行福利厚生の仕組みとインパクト

この昨今、企業における福利厚生の重要性が注目されている。調査(※1)では、就社選択や内定承諾において、給与や賞与の高さよりも福利厚生の充実を判断基準としている、という結果も出ている。業界を問わず人手不足が叫ばれている現代において、企業と求職者双方の関心が「働く環境」へと移りつつある。
そんな中、いま各方面から注目を集めているのが、旅行特化型の福利厚生サービスを展開する『株式会社 Resort Worx(以下、リゾートワークス)』だ。ホテル宿泊などの驚異的な割引率が特長で、有名ホテルも最大80%割引で利用できる。その大胆な設計はなぜできるのか。代表取締役・柳田将司さんに話を聞いた。
超格安を実現するリゾートワークス
──よろしくお願いいたします。まず、リゾートワークスのサービスについて教えてください。
はい。全国約350施設のホテルやリゾート施設に最大80%オフの特別価格で宿泊できる法人向け福利厚生サービスです。契約していただくことで、従業員をはじめその二親等以内の親族を対象に利用できるサービスを提供しています。
──最大80%オフと聞くとかなりインパクトがあるのですが、その価格を実現するからくりはどこにあるのでしょうか?

従来の旅行代理店やオンライン予約といったサービスでは、利用者が支払う料金には業者が設定した手数料が含まれています。一方で、リゾートワークスでは利用者と直接やりとりして予約を行う「直販型」のため、仲介手数料はかかりません。
もう一つは、提携している宿泊施設の空室を借り上げしている点にあります。イメージとしては、企業が賃貸契約した物件を従業員に貸与する「借り上げ社宅」のホテル・旅館版といった感じです。
超繁忙期ではない限り、施設の客室が完全に埋まることはほぼありません。その稼働していない空室を私たちがまとめて借りて上げしています。この二つの構造が安価でご提供できる理由です。
──なるほど、画期的ですね。一方で、施設側から値崩れなどの懸念の声はないのでしょうか?
提携いただいている施設の名称をはじめ、割引率などはサービス会員のみが閲覧できる構造で、具体的な内容は一般に向けては公表していません。情報をクローズドにすることで値崩れやブランド価値の損失などを配慮しています。
こうした構造にすることによって、「稼働していない空室(=利益を生んでいない)なら、割引してたとしても売った方がいい」と、施設側にも考えていただけるようになり、結果として安価で客室を紹介できるようになります。
なお、サービス上の施設側(宿泊施設)の掲載料金は、初期費用・月額利用料はいただいておらず、すべて無料です。
──契約の料金はどのくらいなのでしょうか?
従業員人数によって変動しますが、最も安価なプランだと月額料金4.9万円(50名以下・2年契約の場合)です。
逆に、規模が大きくなれば月額料金自体は上がりますが、その分、一人あたりにかかる料金は比例して低くなり、月額料金16万円のプランを定員300人で考えると、一人あたり約533円で利用できます。
また、正社員のみならず業務委託からアルバイト、インターンの方にまでアカウントを発行することも可能です。さらに、その対象者の方たちの2親等以内の親族も利用ができます。
──企業からはどのような声が寄せられていますか?

導入していただいている企業様からは、概ねポジティブな評価をいただいております。
まず多いのは、コスト面での効果です。これまで個別に手配していた出張時の宿泊費が抑えられ、「結果として経費削減につながった」という声があります。福利厚生として導入した施策が、財務面でも合理的だったという評価です。
一方で、数字以上に印象に残っているのは、従業員の体験に関する反響です。「両親を旅行に連れていくことができた」「家族との時間を持つきっかけになった」といった声も届いています。2親等以内まで利用できる設計だからこそ、生まれたエピソードだと感じています。
さらに、福利厚生が重視される昨今、宿泊施設を特別価格で利用できるという分かりやすい制度は、志望者への大きなアピールになるという声もいただいています。
旅行という刺激をもっと身近に
──そもそも、このサービスを始めようと思ったきっかけは?
「旅行する人を増やしたい」──これが一番の出発点です。そもそも自分が旅行が好きで、国内外問わず各地を旅してきました。知らない景色だったり、文化だったり、そういった刺激に触れるとおのずと価値観が広がっていくじゃないですか。それって仕事や生きていくことにおいて、大事なことだと思うんです。
ただ、旅行に行くとなると、交通費、宿泊費、食費、体験費用……などお金がかかりますよね。とくに最近はあらゆるものの価格が上がっていてることから、行きたいけれど行けない人が増えている。
そんな現状の中で、「割引率が高いサービスがあったらいいのに」という思いから、このサービスを形にしていきました。
──福利厚生を絡めたのはどういう理由があるんですか?
私自身、100名規模の会社を経営していたのですが、そのときに「実際に使われている福利厚生が少ない」と感じていました。福利厚生は社員のモチベーション、生産性にも不可欠なものでありますが、どうしても決め手に欠ける。
とくに旅行系の福利厚生は、割引率が5%や10%程度のものが多くてインパクトの弱さを感じていました。経営者の立場で考えたときに、「これなら従業員が積極的に使うだろう」と思えるサービスがなかったんです。
多くの中小・ベンチャー企業の経営者とも話しましたが、同じような声は多かった。中小企業向けの領域に、ぽっかり穴が空いている感覚がありました。そこの隙間に注目して、福利厚生として展開した大きな理由です。
──今後の展望は?

まずは、提携していただける施設をどんどんと拡大していきたいですね。国内をより多くはもちろんですが、いま需要が高まっている東南アジアへの進出も予定しています。
国内でも、同じ仕組みをレンタカーや飲食、アクティビティといった旅行体験全体に広げていきたい。割引率が高く取れる領域であれば、ホテルに限らず展開できると思っています。それぞれのコストが抑えられれば、その分体験できることも増えていって、旅行がより刺激的になる。
「トラベル体験を通じて、きっかけや気づきを与える」というミッションに沿った形で、旅行にまつわる体験をまるごとカバーできるサービスにしていきたいですね。
株式会社Resort Worx
代表取締役 柳田将司
新卒で採用コンサルティングを経験後、2012年に独立し人材採用支援会社を設立。100名規模の経営者として福利厚生の課題を実感したことをきっかけに、旅行特化型福利厚生サービス『リゾートワークス』を買収・法人向けに転換。60カ国以上を旅する旅行愛好家でもある。
文:土田洋祐
写真・画像:土田洋祐、Resort Worx、画像素材:PIXTA
※1 マイナビ 2026年卒 大学生キャリア意向調査3月<就活生のワークライフバランス意識>