ビジネスシーンにおいて、適切な言葉遣いは重要なスキルのひとつ。基本的なビジネス用語を理解していることは、コミュニケーションの円滑化に直結します。本記事では、いまさら人に聞けないけれど、知っておきたいビジネス用語をわかりやすく解説。それぞれの用語が持つ背景や使用されるシチュエーションを押さえておくことで、職場での会話やメールに自信を持てるようになります。今回は「リテラシー」の意味や種類、リテラシーが低いことで発生するリスクについて紹介します。

「リテラシー」とは特定の分野や状況に必要な知識やスキルのこと

リテラシー（literacy） とは、本来「読み書き能力」を意味する言葉ですが、現代ではその範囲が拡大し、「特定の分野や状況において、必要な知識やスキルを活用して適切に行動できる能力」を指すことが一般的です。さまざまな分野で「○○リテラシー」という形で使用されますが、具体的には下記のような種類があります。

ネットリテラシー

ネットリテラシーとは、インターネットを安全かつ効果的に利用するための知識やスキルのことを指します。具体的には偏った情報やフェイクニュースを識別する能力や個人情報を適切に保護する方法、セキュリティに関する知識などです。

情報リテラシー

情報リテラシーは、情報を適切に収集し、分析し、評価し、活用する能力のことです。信頼性の高い情報源を特定し、データを正確に読み取る力は、ビジネスや日常生活などのあらゆる場面で必要とされます。

メディアリテラシー

メディアリテラシーとは、メディア（テレビ、新聞、SNSなど）を批判的に読み解き、利用する能力のことです。たとえば、メディアの報道内容に隠れた意図や偏向を見抜く力や、発信された情報がどのように社会に影響を与えるかを理解することなどが該当します。

金融リテラシー

金融リテラシーは、お金の管理や投資、借金、保険など、金融に関する知識や判断能力を意味します。生活においても必要な知識であり、家計管理や貯蓄計画をする際に活用されます。また借金やローンのリスクを理解するためにも必要なリテラシーです。

リテラシーが低いことで発生するリスクとは？

正しい情報や豊富な情報を持っていることや、それを十分に活用できている場合は「リテラシーが高い」、反対に知識が少なく間違った行動をしてしまう場合は「リテラシーが低い」と表現されます。ここでは、リテラシーが低いことで発生する可能性のあるリスクについて紹介します。

ネットリテラシーが低い場合

ネットリテラシーが低いと、フェイクニュースを信じて拡散してしまう、他者のプライバシーや権利を侵害してしまう、ネット上の詐欺に引っかかりやすいなどのリスクがあります。このようなことが大きなトラブルに発展してしまったり、フェイクニュースを拡散した結果、名誉毀損で訴えられるケースや、無断転載による著作権侵害が問題視されるケースもあります。

情報リテラシーが低い場合

情報リテラシーが低いと、信頼性の低いデータを基に意思決定を行ってしまい、結果的に損害を被る、必要な情報を正しく収集できないなどのリスクが考えられます。膨大な情報が氾濫する現代社会では、信頼性や妥当性を確認する能力が求められます。

メディアリテラシーが低い場合

メディアリテラシーが低いと、偏向した報道やプロパガンダに影響を受けやすくなったり、自分の意見を持つことが難しくなってしまったりする可能性があります。これにより周囲からの信頼を失ってしまうことや、自分らしい考えができなくなってしまうことがあります。

金融リテラシーが低い場合

金融リテラシーが低い場合、借金や詐欺などに巻き込まれるリスクが高まること、長期的な資産形成が難しく貧困に陥ってしまう可能性があることなどが考えられます。

リテラシーを高める方法

リテラシーを高めるためには、いくつかの方法があります。まず大切なのは、正しい情報を得るために信頼できる情報源を活用し、知識を身につけることです。特にインターネットではさまざまな情報が行き交っているため、複数の信頼できる情報源を持ち、それらを比較検証することで間違った情報や知識を避けやすくなります。

そして、他者と意見交換やコミュニケーションを取りながら、自分の視点を広げることもリテラシーを高めるために大切です。ひとつの考え方に囚われてしまうと、たとえ間違った知識や情報が入ってきても、間違っていると判断することが難しくなってしまうからです。

リテラシーを高めることが自分を守ることにもつながる

ネットリテラシーをはじめとするさまざまなリテラシーを高めることは、現代の情報化社会を生き抜くうえで不可欠です。そしてそれは、思わぬトラブルやリスクから自分を守ることにもつながります。豊富な情報が行き交う世の中だからこそ、自分に必要な情報を見極めましょう。