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「結婚より、老後の貯蓄3000万」20代ホストの不安な将来設計

暮らし

 夜の世界に生きるホストやキャバ嬢のなかには、お客が離れないよう、あえて結婚しない人も多いです。あるいは特定のパートナーに縛られたくないからという人が集まっていることもあるでしょう。

歌舞伎町

※画像はイメージです(以下同じ)

 学歴など関係なく、誰でも成り上がれる可能性のある夜の世界で、AK(あえて結婚しない)を言い切って仕事を楽しむ秘訣とはなんなのでしょうか。浅野晃さん(仮名・28歳)が歌舞伎町にやってきたのは18歳の頃だったといいます。

ブスがコンプレックスだったから

「高校生の時に『夜王』を読んで、ホストになろうと夢を固めました。顔にも、体型にもコンプレックスがあった僕には、彼らの生き様や暮らしが、とてもうらやましかったんです。高校を卒業してすぐ歌舞伎町にやってきて、働き始めました」

 ホストクラブでお金を稼ぎはじめると、自分よりもイケメンで優秀なホストが周囲に山ほどいることに気づいた浅野さんは、「女性にチヤホヤされて、カネも稼ぐ売れっ子ホストに僕もなりたい」と強く思います。

「気づいたら、ローンを組んで整形をしていました。輪郭、鼻、二重整形、それに脂肪吸引も。ダウンタイムはツラかったけど、理想に近い顔を手に入れてからは自己肯定感もすごく高まって、ホストとしても徐々に売れてくるようになりました。当時は本当に嬉しかったな」

好きになれた自分を一番愛してあげたい

ホスト

 そう感慨深そうに語る彼は、次の誕生日で29歳を迎えます。もうじき30歳となると、悩みも深くなるものでしょうか。

「もちろん夜の世界に生きる人にとって30代は大きなハードルです。でも、売れる人は30歳を過ぎても売れるし、悲観ばかりしてもしょうがない。必要とされる限りホストとして働き続けたいから、今のところ悩みはありません。もっとかっこよくなるために、もっと売れるためにどうしたらいいか、そればかり考えています」

 30代を目前にしても「結婚や恋愛のことをあまり考えない」と、浅野さんは語ります。

「この世界で生きていくのに、彼女や結婚はご法度(はっと)に近い行為です。僕は、誰かに一番に愛される以前に、やっと好きになれた自分のことを愛してあげたいんです。だから、結婚は全く考えていません。恋愛は僕にとって、お客様へのサービスのひとつでもありますから」

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