仕事ができない社員に振り回されるフリーランスの悲劇
「だから朝一じゃないと困ります」
結局、トシユキさんはどうしたのでしょうか。
「やりましたよ! 意地というか。他の仕事もたてこんでいたし、電話も鬼のようにかかってくるので、一刻も早く解放されたい一心でした。
『朝一に納品は厳しいので、午後一でもいいですか?』って聞いたら、『午後は、子供の学校行事があるから、休む予定なんです。だから朝一じゃないと困ります』って言われました」
PC操作まで取引先にレクチャーをするはめに
トシユキさんは、他社の仕事をしながらも、必死でTさんの仕事を仕上げ、なんとか2日後の朝一に、WEBページのデザインを提出したそうです。ところがメールでデザインデータを送っても、Tさんからの連絡は一切なかったそうです。
「データの容量も重いし、ちゃんとファイルが開くかも確認したかったので、Tさんに確認の電話をしました。でも、結局電話にも出ませんでしたしメールも返ってきませんでした。留守電を残して、その日はそのままにしました」
ところが、その後にさらなる悲劇がトシユキさんを襲います。
「翌日の早朝に、Tさんから鬼のように電話がかかってきました。『ファイルが開かないんですけど!?』と何故か半ギレ状態で。ていうか、昨日の朝一で送ったメールを今見たの!? ってこっちもキレそうでしたが、そこは我慢しました」
仕事ができない人に限って「すべて電話」
「Tさんの話を聞いたら、TさんのWEBの知識が足りず、単純にファイルが開かなかっただけで、電話でファイルの開き方を教えて、ことなきを得ました」
ただでさえ、Tさんの要望に応え、早めに納品をしたのに、電話がかかってくるたびに他の仕事も一時中断。あげくにファイルの開き方を電話でトシユキさんが教えるという、意味不明な仕事までさせられて、完全に疲れきっていたと言います。
「落ち着いたと思ったら、午後になってまたTさんから連絡。なぜ、仕事ができない人に限って、すべて電話なんでしょうか。頼むからメールをしてくれ(笑)。
電話に出ると『デザインは、すごく良かったんだけど、頭の固い上司にダメって言われちゃって、ちょっと修正してほしい』って言われました。
修正内容を聞いたら『ちょっと修正』どころか、ほぼ全部やりなおしレベル。しかも納期は例のように2日後。『ちょこちょこっとイジれば、できるでしょ?』というTさんの発言に、とうとうイライライがピークになりました」