被害者が加害者に?マッチングアプリの恋愛でストーカーが生まれやすいパターンとは?
絶対に自宅を教えてくれない“恋人”に不信感……
―男女にかかわらず、騙されたにもかかわらず相手に執着してしまうのですね。
「そうですね。特にストーカーをしている人は自分が被害者である自覚はあっても、自身のストーカー行為には加害者意識を持っていないこともあります」
―そんなことがあるのですね。
「私の元へ浮気調査の相談を持ち掛けてきた50代男性のSさんも、被害者から無自覚にストーカーに変身してしまったひとりでした。私がSさんのストーカー行為を知ったキッカケは、Sさんからの『マッチングアプリで知り合った20代の恋人・Hさんが浮気しているかもしれない』という相談でした」
―元々は浮気の相談だったのですね。
「はい。食事やショッピングに出かけても費用は全てSさん持ち。自宅は一切教えてもらえず、肉体的な関係も持てなかったとのことです」
―なるほど、いわゆる“パパ活”のような状態になってたようですね。
「それだけではなく、SさんはHさんの家賃まで一部負担していました。そこでSさんは、自分たちの関係は本当に恋人といえるのか?と疑いをもったわけです」
―カモシカさんに浮気調査を相談したくなる気持ちもわかります。
「通常なら探偵業者に依頼していただければ、ターゲットの素行を調べることで浮気の有無を確認できますからね。しかしSさんは、Hさんの素行を自分で調査することにしたのです」
―一般人が浮気の調査に臨んだのですね。
「SさんはHさんの職場を知っていましたから。仕事が終わった後にHさんの職場へ直行して、帰宅するまで張り込みしたそうです。その後、Hさんの自宅を特定。仕事の合間を縫って自宅を監視して、Hさんが20代の男性と同棲していることまで突き止めてしまいました」
依頼主が豹変!無自覚にストーカー化してしまう被害者
―とてつもない執念ですね。浮気の確証をもったSさんはどうしたのでしょう?
「Hさんに対して浮気を指摘したそうです。もちろん自分自身がHさんを監視していることは隠して。Hさんは浮気を認めて偽りの恋人関係は解消。家賃の負担も打ち止めにすることができました」
―Sさんの行動力には驚かされますが、ここまでは浮気の実態を苦労して突き止めた男性のエピソードという印象です。
「問題はその後もSさんはHさんの監視を続けているという点です。本人としてはつい、気になって今も姿を見たくなっているだけのつもりらしいのですが……。職場や自宅の張り込みだけでなく、郵便物をあさって私生活の様子を伺いみてしまうこともあるそうです」
恋人としての感情が捨てきれず、ストーカー行為に及んでしまったSさん。現在はHさんが引っ越ししており、Sさんのストーカー行為は終了しているとのこと。
自らのプロフィールをごまかして出会いを演出できること、マッチングアプリでの最大の注意点だ。交際関係を結ぶ際は“偽り”のない誠実な姿勢で望むように心がけてほしい。
<取材・文/田崎麻衣>
カモシカさん・プロフィール
大阪市で探偵業に従事するカモシカさん。
Instagramでは浮気に関する知識やストーカーの撒き方などの情報を発信中。
パートナーの浮気や不倫に悩む人にむけて、無料で相談できる相談チャットなどを開放している。
カモシカ探偵社HP:https://kamoshika-tantei.com/
Instagram:https://www.instagram.com/tantei_kamoshika/
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