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なぜ炊飯ジャーに「キラキラ星」「アマリリス」が流れるのか…象印に聞いてみた!

ビジネス

「別の曲にしよう」という意見は上がったことがない

象印の現在の炊飯ジャーのカテゴリーは大きく分けて3つある。「圧力IH炊飯ジャー」「IH炊飯ジャー」「マイコン炊飯ジャー」3タイプだ。

象印の炊飯ジャーのハイスペックモデル「炎舞炊き(圧力IH炊飯ジャー)」

写真左上より時計回りに「圧力IH炊飯ジャー」、「IH炊飯ジャー」、「マイコン炊飯ジャー」

「マイコン炊飯ジャー」のNS-NH05という1品番のみメロディが鳴らない仕様となっているが、それ以外のすべてのモデルで「キラキラ星」「アマリリス」が流れるようになっている。担当者はこうも教えてくれた。

「1990年代の『キラキラ星』『アマリリス』採用以来、社内で『別の楽曲にしよう』といった意見が上がったことはなく、また近年SNSなどでお客さまのお声を聞く限りでは『お馴染みのメロディ』『心地良い』と評価をいただいており、今後も変更の予定はありません。

ただし、『メロディは要らない』というお客さまでもお使いいただけるよう、現在では大半のモデルで『メロディあり』『メロディなし・ブザー音』『無音』の3つから選べる仕様とさせていただいています」(担当者)

また、実は象印では炊飯ジャーだけでなく、ほかの家電でもメロディを採用しているという。

「ホームベーカリー製品では、調理開始時に『おおスザンナ』が流れ、できあがり時には『アビニョンの橋で』が流れます。また、電気ポット製品では、タイマーセット時に『夢路より』が流れ、沸いたときに『メヌエット』が流れます。

炊飯ジャーはもちろん、これらの家電も、お客さまに状況をわかりやすくお伝えすることを目的にメロディを採用しています。結果的に、そのメロディがお客さまの生活シーンに溶け込み、親しんでいただけるのだとしたら、とても嬉しいです」(担当者)

生活者の暮らしに寄り添う製品作り

炊飯ジャーの本来の最重要項目はもちろん「お米を美味しく炊けること」だ。

ただし、日本人の食にとって欠かすことができない「お米」にかかわる商品なだけに、その使用頻度は他の家電に比べてもかなり多い部類に入る。だからこそ、機能性だけでなく「デザイン」「メロディ」といった付加要素も多くの人々の生活に馴染み、そして癒してくれるものであってほしい。その点から見ても象印の大半の炊飯ジャーの優れたデザイン、そして「キラキラ星」「アマリリス」といったかわいいメロディもまた、抜きん出た魅力の一つと言って良いだろう。

<取材・文/松田義人>

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音楽事務所、出版社勤務などを経て2001年よりフリーランス。2003年に編集プロダクション・decoを設立。出版物(雑誌・書籍)、WEBメディアなど多くの媒体の編集・執筆にたずさわる。エンタメ、音楽、カルチャー、 乗り物、飲食、料理、企業・商品の変遷、台湾などに詳しい。台湾に関する著書に『パワースポット・オブ・台湾』(玄光社)、 『台北以外の台湾ガイド』(亜紀書房)、『台湾迷路案内』(オークラ出版)などがある

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