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俳優・高橋侃、江口洋介の付き人を経験して溜めた「自分へのフラストレーション」

暮らし

口に出すことで、巡り合わせへと繋がる

高橋侃

――高橋さんは、有名ヘアサロンのSHIMAでの美容師とモデル時代を経て、俳優としてデビューしましたが、その時点で25歳直前と、遅めのスタートでした。いろんな経験をされてきたのは、自分の意志と巡り合わせ、どちらのほうが強いと感じていますか?

高橋:巡り合わせのほうが大きいんじゃないでしょうか。というか、自分でそうありたいと思ったことに対して、巡り合いを得て進んできたというか。僕、「有言実行タイプ」なんです。口に出すことで、巡り合わせに繋がっているのかなと感じます。

――美容師時代に学んだことが、現在に生きていると思うことはありますか?

高橋:二十歳から23~24歳くらいの怒涛の日々が、今の自分を確実に作っています。あそこにいなかったら今の自分はいないし、役者もきっとやっていない。あのときスタイリストをやっていたことも、今の道に来たことも、なるべくしてなったと思っています。

ボディガード付きで一流ホテルに

母性

(C) 2022映画「母性」製作委員会

――兼業で、モデルもされていました。ミラノのメンズ・コレクションへの参加などは、本当に貴重な経験かと。

高橋:そうですね。美容師としてだと余計に珍しいですよね。特に「ドルチェ&ガッバーナ」のワールドワイドのキャンペーンの撮影とショーを経験したときには、隣にオースティン・マホーンさんがいたりして圧倒されました。海外のレベルって、こんなに違うのかと痛感しました。

――自分はまだまだだと?

高橋:まだまだどころじゃないです。でも体験できてよかったと思います。たとえばドルガバが貸切っていた1番高級なホテルに泊まってご飯代も出て、ボディガード付きでどこでも車で連れて行ってくれたりするんですけど、ホテルの前の出待ちがすごくて。何百人いるんだろうって感じなんです。

 そこに出て行ったとき、すっごい拍手と歓声が「わー!」って上がって、一瞬で「なんだよ、お前かよ」みたいな空気になって(苦笑)。頑張らなきゃって思いますよね。その時の僕は美容師のアシスタントだったので、早くスタイリストになるぞ! という気持ちでした。

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