松井玲奈、コンプレックスを“好きになれた”瞬間「好きな自分になれる方法を楽しみたい」
繊細な心理描写で、幅広い層から人気の直木賞作家・島本理生。『ナラタージュ』や『ファーストラヴ』など、これまでに映像化された作品はいずれも話題となっています。そんななか、生まれつき顔に大きなアザを持つ女性と映画監督との恋愛模様を描いた映画『よだかの片想い』が現在公開中です。
主演を務めるのは、原作に惚れ込み、企画段階から携わってきた松井玲奈さん(31歳・@renampme)。劇中では、不器用な理系女子大生の前田アイコを見事に演じています。そこで、自身のコンプレックスとの向き合い方や初恋の思い出、そして困難を乗り越えるための意識などについてお話いただきました。
映像で観てみたい場面がいくつもあった
――長年、この作品の映画化を熱望されていたそうですが、きっかけから教えてください。
松井玲奈(以下、松井):どの場面も素敵ですが、そのなかでもアイコが大きな決断をする瞬間など、映像にして観てみたいと思う場面がいくつもあったからです。そして、それを考えていたときに自分がアイコを演じたいという気持ちになっていることに気づかされました。
――とはいえ、好きだからこその不安もあったのではないでしょうか。
松井:それは、すごくありました。いまも、原作を好きな方々がどう受け止めてくださるのかとても不安です。原作を好きな気持ちは大きいものの、自分にこの役ができるのかという不安は撮影中もつねにあったと思います。
コンプレックスが生まれる瞬間に共感も
――アイコは顔に大きなアザがあり、コンプレックスを抱えた女性ですが、共感されるところはありましたか?
松井:この作品でも描かれているように、コンプレックスが生まれる瞬間というのは、自分が他人と違うことがわかったり、人から指摘されたりしたとき。おそらく誰にでもコンプレックスはあると思うので、そこは観る方もきっとハッとするのではないかなと。そういう部分に関しては、私も共感するところはありました。