「安さで選ぶと損する?」保険のプロに聞く、失敗しないプラン選びのコツ
医療保険は「細かな違い」に注目を
「最後は『医療保険』です。医療保険には『特定疾病保険料払込免除特約』をつける場合、条件に違いがあるのでしっかり比較されたほうがいいでしょう。これは特定疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)で所定の状態になるとそれ以降の保険料の支払いが免除となる特約です。特に健康状態のいい20~30代であれば、月々数百円でつけられることもあるので非常に人気があります。
しかし、この『所定の状態』の定義には保険会社ごとにかなり違いがあるので注意が必要です。たとえば『心疾患』であっても、A社は『1日以上の入院』を条件に免除になりますが、B社は「20日以上の入院」で免除になる。保険会社はこういった細かな違いで他社と差をつけているので、保険料以外のこうしたポイントを比較することが大切になってくると思います」
共働き世帯は「夫婦で保険」に入るべき?
独身であれば生命保険は自分のために加入を検討するが、既婚者だとそうはいかない。自分が亡くなった後に遺された配偶者や子どものために、今からどう備えていくべきか。特に共働き世帯であれば夫婦がそれぞれで考えなくてはいけないだろう。
入江さんは「ご夫婦のどちらかが亡くなり、残された配偶者のみの収入での生活やお子さんの教育費が捻出できないという場合には、ご夫婦それぞれで死亡保障のある生命保険に入るべきだと思います」と語る。しかし、共働き世帯だけではなく専業主婦世帯も、妻が死亡保障のある生命保険に入らなくていいというわけではない。それは数字では見えない部分だ。
「たとえば、会社員と専業主婦のご家庭で今は夫の収入だけで生活ができていると仮定します。そこで妻が急死した場合、妻の死亡保険金がゼロだとしても夫の収入だけで生活できるかもしれません。
しかし、配偶者を亡くした後に精神的ショックで働けなくなったり、お子さんの面倒を見るために仕事の時間を減らしたりなど、今と同じように働けるとは限らないでしょう。仕事をセーブせずとも妻が担っていた家事や育児を家事代行サービスやヘルパーさんなど、お金で解決することも増えていくかもしれません」