未払い残業代は取り戻せる。CEO弁護士が目指す「泣き寝入りゼロ」の社会
審査の「通過率はおおむね50%」
利用者が費用負担をするのは、裁判に勝って金銭の回収ができたときのみ。その際、利用者は「リスク補償料」を支払います。リスク補償料の額はアテラでの立て替え・補償額と同額もしくは2倍となっています。ただし、アテラの利用には事前に審査を受け、通過していることが条件です。審査基準や内容は企業秘密ですが、「通過率はおおむね50%」と決して緩くはありません。
アテラ利用者からは、「資金がなく、弁護士費用が払えない人でも、泣き寝入りすることなく、自分の想いを実現できるいいサービス」や「『負けても損しない、上手くいったらお金も入ってくる』と考えると気持ちがラクになりました」といった声が寄せられています。
なかには、「このままだと本当に悔しかった」と、泣き寝入りせずにすんだことを喜ぶ声もありました。
「悪いことをすれば、報いを受ける」意識
法テラスの「民事法律扶助」やアテラのような助成制度を活用し、民事裁判を起こしやすくなると、社会的にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。
「訴えを我慢をしなくていいわけですから、ご本人の気持ちは楽になりますよね。アテラであれば裁判にかかる費用を気にする必要がなく、敗訴、回収失敗の際に損をするリスクもないことから、審査に通過さえすれば安心して裁判に臨めます」
さらに南谷氏は「犯罪や不当な行為の抑止につながる」と続けました。
「労務関係では残業代未払いが多いですが、これも労働者が『私の残業代は払われるべきだ』と主張しやすくなることで雇用主の残業代支払いへの意識は高まり、状況が改善していくと思うのです」
不当な扱いに対して泣き寝入りせず、おかしいものはおかしいと声を挙げる人が増えることで、風紀が正されていくわけです。
「時間外労働を命じた、またはそうせざるを得ない環境にあるならば、働いた分の対価を支払うのは当たり前のことです。もし雇用主が残業代を不当に支払わない場合、法に則って罰せられるべきです。『悪いことをすれば、その報いを受ける』というメッセージとなりますから、一人ひとりの意識改革につながると期待しています」