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赤字の大戸屋「おかわり自由」が試金石に。コスト削減の成果も

ビジネス

目標達成には「販管費率」が課題

大戸屋 コロワイド

原価率と販管費率の理論値※決算短信をもとに筆者作成

 ただし、大戸屋の2022年3月期の販管費率は60.8%。2020年3月期の58.8%から2ポイント上昇しています。これはコロナ禍で客数が急減したため、固定費が図らずも膨らんだものと考えられます。2023年3月期に掲げている営業利益率5.6%の目標を達成するためには、理論上、原価率を42.0%(0.2ポイント削減)、販管費率を52.4%(8.4ポイント削減)程度まで抑えなければなりません

 特に販管費率の削減幅は大きく、厳しい戦いが予想されます。

1店舗あたりの稼ぎを増やせるか

 大戸屋はすでに販管費削減に取り組んできました。2022年3月期の宣伝費はその前の期と比較して1.3%、地代家賃は1.8%、水道光熱費を0.5%削減しています。コロワイドは販管費を抑えるよりも、今期は集客力をつけて売上高の回復を計画していると考えられます

 2023年3月期の売上高251億6300万円という数字は、2019年3月期の実績である売上高257億2900万円と近いものです。

 しかし、店舗数が圧倒的に異なります。2019年3月末時点の国内の直営店は143、フランチャイズが207ありました。2022年3月末時点では直営店が130(9.1%減)、フランチャイズが169(18.4%減)です。すなわち、1店舗あたりの稼ぎを大きくしなければなりません

大戸屋 コロワイド

既存店客数※月次報告をもとに筆者作成

 大戸屋が開示している既存店の昨年対比の客数の数字をもとに、「コロナ前の2019年比」に修正したところ、2022年4月は2019年4月の客数を上回りました。2022年5月は99.5%となり、ほぼ2019年の水準を取り戻しています。2022年3月にまん延防止等重点措置がすべての都道府県で解除され、外食に対する消費者心理が改善したことが背景にあると考えられます。

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