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貯金ゼロ、家賃5万円で起業した26歳社長が明かす「運命を変えた大きな出会い」

ビジネス

自分なりにベストに近い方法でぶつかった

未来

 父親のことは尊敬しているものの、いち経営者としての感覚は自分とはまったく違うと感じていました。僕は親には親の経営スタイルがあり、それに影響されないかたちで父のやらないこと、できないことをやらなければ、という確たる思いが芽生えていたんです。とにかく、当時の状況で200万、300万円を自分で用意することは到底無理で、 会社を立ち上げようと思い立ったとき、本当に自己資金はありませんでした

 ただ業界のことをご存じの方ならおわかりかと思いますが、他業種と比べ、手持ちの資金なしに青果業を始めるなんて無理、あり得ないことなんです。農作物は基本的に仕入れを行うタイミングで支払いが発生します。月末締め、月末払いといった方法はあくまで信用ができてからです。

 現金仕入れが基本ということを知っているけれど野菜で仕事がしたい、でも資金は ゼロ──堂々巡りのようですが、ただ、ディグインで2年間程度やっていた経験から、新規参入の会社がゼロから取引先との信頼関係を築く難しさはわかっていました。そこで、どうやってキャッシュを調達しようかと考え、どこかに可能性や突破口はないものかと考えて、自分なりにベストに近いベターな方法でぶつかることにしました。

<TEXT/「菜根たん」代表 三浦大輝>

「菜根たん」代表/株式会社Living Roots代表取締役CEO1995年宮城県生まれ。地元・仙台での東日本大震災体験をきっかけに食の安心・安全を意識するようになり、農業ベンチャーの道へ。現在は青果を中心に卸・小売を手掛けるLiving Rootsで八百屋「菜根たん」(東京・渋谷、根津、埼玉・大宮)を経営。コロナ禍でいち早くフードロス対策を実行し、各メディアで注目を集めた。著書に『渋谷の八百屋発[食農ビジネス]革命』(扶桑社)がある

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