「無料で宇宙旅行に行ける」企画が実現。3つの応募条件と気になる資金源
550万円で宇宙旅行が可能に?
宇宙旅行の費用はどのくらいなのか? ヴァージン・ギャラクティックの費用は当初1人25万ドル(約2925万円。ドル換算は1ドル117円)だったが、2021年8月から45万ドル(約5265万円)へ値上がりしている。
ブルー・オリジンの費用は公表していないが、2021年7月時点で20万~25万ドル(約2340万~2925万円)を想定している。スペースXの費用(ISS滞在)は、5500万ドル(約64億3500万円)。「スペース・アドベンチャーズ」の費用(ISS滞在)は、3700万ドル(約43億2900万円)となっている。
宇宙旅行は、マンションや家が購入できてしまうような費用がかかるようだが、2023年から宇宙旅行を予定しているワールド・ビューの費用は5万ドル(約585万円)。他社の費用と比べるとかなり安い。同社では月々のローンで支払う方法でもチケット購入を受け付けており、会社の方針は「宇宙旅行は安全で手頃な料金で行なわれるべき」という。
出発場所も他社と違う。米国のグランドキャニオンをはじめ、ブラジルのアマゾナス、ノルウェーのオーロラ・ボレアリス、エジプトのギザ・ピラミッド、オーストラリアのグレート・バリア・リーフ、モンゴルの万里の長城、ケニアのセレンゲッティと、バラエティ豊かに揃えており、世界中から多くの人々が宇宙旅行をできるように工夫している。
米国やロシアだけではなく、世界各国から気軽に宇宙旅行ができ、さらに手頃な費用で宇宙旅行を可能にする画期的な企業となっている。
これからの宇宙旅行はどうなっていく?
今後、宇宙旅行はさらに発展していくのだろうか?
スペースXは今年、宇宙で地球周回旅行を可能にし、100人乗りのスペース・プレーン(旅客機)を運行する予定だ。2023年には月の周回軌道を周るツアー、2024年には地球周回軌道観光ツアーも計画している。
同じく、「スペース・アドベンチャーズ」も、月の周回軌道を周るツアーを計画中だ。ストラトローンチ・システムズは今年、音速旅客機の試行飛行を実施するという。飛行機で海外旅行することが珍しかった時代は遠い昔の話だ。今後は、一般人にとっても宇宙旅行が海外旅行のように身近になる日もそう遠くはないだろう。
<TEXT/藤本庸子 Yoko Fujimoto 編集/シルバー井荻(@ikanocchi)>