「都民ファ」と「国民民主」の合流に有権者から不安の声。参院選に向けて各党に動きが
2022年1月17日、年内初となる国会が招集されました。ここから与野党の議論が始まります。コロナ対策や疲弊した経済、日米・日中関係といった外交など、岸田文雄内閣には取り組まなければならない課題が山のようにあります。
早くも永田町関係者は今夏の参議院議員選挙に向けて動きを加速させています。言うまでもなく、今夏の参議院議員選挙は2022年でもっとも注目度が高い政治トピックスです。
連立を組む自民党と公明党、野党共闘を目指す立憲民主党と共産党。そのほか、先の衆院選で大躍進した日本維新の会、衆議院議員が3人となり台風の目となりつつあるれいわ新選組といった政党の動きからは目が離せません。そんな中、玉木雄一郎議員が代表を務める国民民主党が、都民ファーストの会との合流を模索しているとの報道が流れました。
この動きは、2017年の衆院選直前に民進党(当時)が新党の希望の党に合流した出来事を想起させます。フリーランスカメラマン小川裕夫(@ogawahiro)が、きたる参議院選に向けて各党の動きを解説します。
国民が岸田内閣の審判を下す初の選挙に
2021年の衆院選で、自民党は議席数を微減させましたが、それでも261議席(追加公認を含む)を獲得。結果として大勝となりました。連立を組む公明党は、議席数を微増させて32議席を獲得。自公で293議席という盤石な体制を築いています。
先の衆院選は岸田内閣発足後すぐに実施されたこともあり、政権の信任を問うものとは言い難いものでした。今夏の参院選が、実質的に国民が岸田内閣の審判を下す初の選挙になります。
衆院選と参院選は選挙制度が大きく異なります。参議院は選挙区と全国比例によって選出されますが、選挙区の枠組みは都道府県単位です。そのため、参議院議員は地域の代表という趣が強いとされています。
戦い方が異なる衆院選と参院選
とはいえ、衆議院も、参議院も国会議員の一員であることは同じです。また、多くの議員が政党に所属し、その政党や団体から支持を受けることも変わりません。
衆議院と参議院とでは選挙制度が違うので、選挙の戦い方は大きく異なります。というのも、2022年の参議院議員選挙では鳥取県・島根県、徳島県と高知県が合区のために2県で1人の議員を選出するほか、32県が一人区になっているのです。
1県で2人以上の議員を選出する都道府県では、与党と野党から仲良く1人ずつ選出されることが多いのですが、一人区や合区はそうもいきません。そのため、一人区や合区の情勢が参議院議員選挙の勝敗を分けるといっても過言ではありません。
一人区は文字通り1人しか当選できません。そのため、与党も野党も候補者の一本化を図り、それぞれが選挙協力をしています。自民党と公明党は連立を組んで20年以上の実績を積み重ねてきましたから、候補者の選挙調整には「一日の長」があるといえます。