父親は大嫌い、母親とは絶縁…『電波少年』坂本ちゃんが振り返る「ブレイクのウラ側」
2000年に出演した伝説的バラエティ番組『進ぬ!電波少年』(日本テレビ系)の企画「電波少年的東大一直線」に出演していたタレントの坂本ちゃん(55歳・@sakamotochan)。大ブレイクの一方で、「人との距離」がわからなくて苦しんだことを明かします。
今年2021年3月には『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)のコーナー企画に出演した坂本ちゃんは、タレント業のほかに現在イラストレーター、ゴールデン街の店番という顔も。「運命の流れに身を任せる」という坂本ちゃんが語る、人生哲学とは――。
「電波少年」の東大受験に失敗して…
――奮闘の結果、東大受験は叶わなかったものの、「どこでもいいから一直線」に企画が変更され、日本大学など8校に合格しました。合格発表を聞いた時に思ったことは何でしたか。
坂本ちゃん:まずは嬉しかったですね。初めて自分に自信を持てた瞬間でした。3人兄弟の真ん中で、兄も弟もお勉強ができて、良い高校に行って大学にも行って……という感じだったので、自分だけ何もできないという思いは、どこかで引きずっていたのかもしれません。
ベタすぎるんですけど、自分でもやればできるんだと思ったのと、何事も諦めちゃいけないんだなと。合計6か月ぐらいの受験勉強ですから、知識を詰めただけだとは思うんですけど、ムダになることはないんだって思いました。
――その後、めちゃくちゃ忙しくなって。
坂本ちゃん:『電波少年』が終わった次の日から、大忙しになりました。小学3年生の時に抱いた「タレントになる」という夢は幸せなことにそこで叶ってるんですけれど、一方で、あまりにも突然すぎまして。徐々にじゃなかったので、自分のなかでは結構苦痛というか……。コミュニケーションが下手なまま飛び込む形になったので、悩んじゃったりしましたね。
大ブレイクの一方で人との距離に悩み
――どういう悩みがありましたか。
坂本ちゃん:人との距離のとりかたがわからなかったんです。収録後、自分の発言に共演の方が気分を害されていないかなとか、ウジウジ悩んだりして。
とっくに30歳を過ぎていましたが、“新人”なので、最初のうちは空気が読めない感じもおもしろがってくださっているのはわかったんですけど、経験を積んでいくと、今しゃべっていいのかなみたいな、そういう怖さ、葛藤がありましたね。お仕事をいただけるのはありがたいんですけど、純粋に楽しめなかった部分があったかもしれません。
ただ、その頃、とんねるずさんの番組に出させていただいた時のことです。私が石橋貴明さんに言った言葉について、また悶々と悩んでいましたら、マネージャーさんが、「じゃあ謝りに行ったらどうだ」っておっしゃってくださいまして。
そこで楽屋にお伺いして謝ったら、石橋さんが「坂本ちゃんはそのままが面白いんだから! 別にそんなことを気にする必要はなく、楽しく収録に挑めばいいんだよ」っておっしゃってくださって。その言葉で、少し楽になったおぼえがあります。