最大50円で「不満」を買い取るアプリに、大手企業が注目するワケ
これまでの不満を買い取るのに限界も
日本語の文章を解析するAI活用として独自開発された「アイタス」がある。他のAI機能とどう違うのかを解説してもらった。
「アンケートで寄せられる不満の声やコールセンターのメールでの問い合わせなど、VoC(voice of the customer)のテキスト情報が世の中にはたくさんあるのですが、ほとんど活用されていない状態です。テキストマイニングは今までもあったのですが、多くは単語単位終わっているのがほとんどでした。
例えば『不満ランキングで“価格”というキーワードが1番でした。以上』というので終わってしまい、価格に対してどんな意見があるのか、これまで把握できず限界がありました。このような限界をブレークスルーすべく、我々は、日本語文章のなかから主語・述語などの文法的な情報を踏まえて意見のフレーズを抽出するようなAIを自社で開発したのです」
2年をかけて不満のAI活用ツールを独自開発
「アイタスを使うことで『価格が高い』ということではなく、実は『価格がわかりにくかった』ところまでわかるようになり、それを企業様に対して報告できるようになったのです」
アイタスの開発には2年ほどかかったそうだ。さらにこれをSaaS化したアイタスクラウドも2020年9月からスタートしている。
「アイタスクラウドは、アイタスがクラウド化してサービスになっているような形です。これまではデータをお預かりしたり、不満買取センターのデータを分析しクライアントにレポートとして納品したりていました。ここで得られた知見をサービスとしてパッケージ化したのが『アイタスクラウド』です。
アイタスクラウドはWebブラウザ上で、インタラクティブに『今月の不満はどんな意見が多かったか』を、自分で検索しながら見ていただけるサービスです」