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「アイツは社内不倫している」常に誰かを攻撃する“デキる女上司”

学び

「A課長は頻繁に課で飲み会やランチ会を開いて、敵と認定した人の悪口やよくない噂を吹聴してくるんです。ストーリーもよくできていて、つじつまもあうし、なにより話し方がうまいので、みんなA課長の話を信じていました」

 さらにA課長の行動はヒートアップしていきます

課以外のメンバーとランチに行かせない

ランチ お弁当

「敵である他部署の課長の命令に従ったり、仲良く話していると後からネチネチ嫌味を言ってくるんです。『〇〇さんと話していたよね。あの人は過去に仕事で重大なミスをしでかした人だから、気をつけてね』とか『〇〇さんはあなたのことを『仕事が雑』って悪く言ってたから、信用しちゃダメ』って変な情報をまわして、まわりと切り離そうとしてくるんです」

 実際にひなのさんは、毎日誰かの悪口をA課長から聞かされ、完全に社内で孤立していったと言います。

「私だけではありません。課のメンバー全員が孤立していました。ほかの課と交流をしないから情報も入ってこないし、ほかの課との仕事や共同プロジェクトは『うちの課のメンバーは忙しいから出せない』とAさんが全部断るんです。毎日悪口や私のことを悪く言っている人の話を聞かされていると、信じられるのは自分の課だけという状況になってくるんです」

 忙しいので同僚とも飲みにもいけず、ランチは課で行くことをほぼ強要されるため、完全に閉ざされた世界で生きていたとひなのさんはいいます。

最悪な状況が転機となった

「ある日、思いきって同じ課の同僚に『A課長のやってることはおかしいと思う』と相談をしました。そしたら『こんなにメンバーのことを思ってくれるリーダーはいない!』と反撃をされ、あろうことかA課長にチクられました』

 結果、どうなったのでしょうか……。

「次の日からAさんの敵になってしまいました(笑)。昨日までは『ちゃん付け』だったのに、『さん付け』に変わるし、ランチ会にも呼ばれなくなりました。さらに、今までだったら何も言わずに通してきたような、細かいミスや間違えを見つけてきては問題視して、部長に報告。仕事ができない困った人アピールをされ、ありとあらゆる噂も流されました」

 明らかなパワハラ行為ではないので人事に相談しても「気にしすぎでは」とコトの重大さをわかってもらえなかったといいます。

「証拠も集めようがないので相談できず、もんもんとしています。明らかなパワハラ行為のほうがマシだったかも、とすら思ってしまいます」

 ひなのさんの苦悩はまだまだ続いているといいます。

<TEXT/瀧戸詠未 イラスト/zzz(ズズズ)@zzz_illust

フリーライター。教育、ビジネスを中心に記事を執筆中。お酒と食べ歩きとひとり旅が趣味

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